子どもたちの遊びの主流は、テレビやスマートフォンのゲームになっています。ですが、「親子でアナログなボードゲームを囲んで盛り上がりたい!」と考える親も増えており、実は今、ボードゲームが注目を集めています。

 そこで東京・高円寺にある日本最大級のボードゲーム専門店「すごろくや」を訪ね、オーナーの丸田康司さんに、ボードゲームの選び方や、保育園児と小学生それぞれの年齢に応じて親子で盛り上がれるオススメのゲームを紹介してもらいました。

「カッパ巻きだけじゃもったいない、トロやイクラも楽しもう」

 日本でボードゲームと言えば「人生ゲーム」や「UNO」などが代表的ですが、世界では数千種類のボードゲームの新作が登場しています。なかでもボードゲーム大国なのはドイツ。毎年500〜600種類が発売されています。

「ドイツのボードゲームには作家名が書かれています。ファンは『この作家が作るゲームなら次回作も面白いに違いない』と期待するようになり、ゲームのクオリティがどんどん高まっていったのです」(丸田氏)

 最近のボードゲームの特徴は、どれも戦略性や創意工夫が必要となる奥が深いものばかり。子どもは無邪気に遊べる上に、大人も知的な能力を発揮して考えながら遊ぶことができるのです。

 丸田氏によると、日本で遊ばれる代表的なボードゲームは「寿司の種類に例えると『カッパ巻き』だ」とのこと。確かにカッパ巻きはシンプルで食べやすいですが、「世の中には『トロ』や『イクラ』のように、さらに面白くて奥深いゲームがさまざまある」(丸田氏)。これを親子で楽しまなければ、人生損じゃないですか!

 なお「ボードゲーム遊びは時間がかかる」という思い込みがあるかもしれませんが、10分〜15分あれば楽しめる商品も多く、共働き家庭でも短時間で集中して遊べます(次ページから紹介します)。もちろん没頭してあっという間に数時間が過ぎてしまうことも……。また多人数ではなく、2人〜3人で遊んでも楽しいものです。

すごろくやの丸田康司オーナー。「MOTHER2」や「風来のシレン」などテレビゲームの開発に15年以上携わった後、アナログボードゲームの面白さを伝える側に回った
すごろくやの丸田康司オーナー。「MOTHER2」や「風来のシレン」などテレビゲームの開発に15年以上携わった後、アナログボードゲームの面白さを伝える側に回った

すごろくやの店内。国内最大級の約400種類のゲームを常時販売。ネット販売も行っている
すごろくやの店内。国内最大級の約400種類のゲームを常時販売。ネット販売も行っている

「創意工夫」こそがボードゲームの強み

 丸田氏は長年テレビゲームの開発に携わってきた「遊びの専門家」。そこでテレビゲームにはない、ボードゲームならではの楽しみについて聞きました。

「テレビゲームでは、ゲームの仕組みそのものはすでにでき上がっており、ユーザーは何も考えなくても遊べます。それに対して、ボードゲームは『遊ぶ仕組み』に手が届く余地があります。自分たちでルールを把握しながら、その中でうまく振る舞うにはどうしたらいいか考えるなど、遊びに創意工夫が加えられるのです」(丸田氏)