―― うわぁ、全部素敵で迷っちゃいますね。ところで、3世代旅行って本当に増えているんでしょうか?

高柳 はい、以前に比べて増えていますね。2013年、JTBが実施した夏の旅行に関する意識調査では「3世代で旅行をしたい」人は12%。前年比6%増で、ほかのグループと比べると、伸び率は最高だったんです。

 長期のご旅行を考えている方は行き先を決めてから来店される傾向がありますが、佐藤さんのように忙しい方は、「1泊2日の3世代旅行で、どこかオススメはありませんか?」という感じで気軽に来店されます。こちらのほうが多数派ですね。

―― そうなんですよね。自分で旅行プランを決める時間がなかなかありませんから……。 私は旅っていうと、これまではネット予約が主流で、旅行会社に来たのは、実は今回が実は初めてなんです。

高柳 実際、そういう方が多いんです。一人旅や夫婦二人旅の宿や飛行機をネットで手配していた方でも、お子さんや親御さんが一緒となると、「飛行機で並び席を確保したい」「部屋も近くがいい」といった細かなニーズをかなえるために旅行会社にいらっしゃるようです。

―― 3世代旅行に行く方が店頭で重視するポイントはどんなところなのでしょうか?

高柳 まずは、宿の食事の形式です。お子さんが小さければ部屋食を、ある程度大きくなって好みが出てきたらバイキングを選ぶ方が多いようです。

 あとは、お部屋の並びですね。「おじいちゃん・おばあちゃんと同じ宿に泊まりたい。でも、部屋は別がいい」というニーズをよく聞きます。祖父母側も同じようなお気持ちの方が多いですね。祖父母は朝が早く、孫は寝坊するなど、生活の時間帯が異なりますし、いくら親しくても、やはりお互いに気兼ねなくリラックスする時間を確保したい、とお考えのようです。

―― プランを考えるときの注意点はありますか?

高柳 旅行で一番実現したいことは何かを決めることです。食事、温泉、家族とのコミュニケーション、それともアクティビティー……、何を優先したいかが最重要です。でも、最初からそれがはっきり決まっている方は少ないので、ご安心くださいね。窓口では、お客様がその旅で何をしたいのか、一緒に考えるお手伝いをさせていただきます。

 アクティビティーの内容も細かいところまで調べ、しっかり見極めることが必要です。例えば、2歳のお子さんができることと、小学1年生ができることは違います。アクティビティー内容をよくよく考えたら、実は、行き先は北海道ではなくて、長野のほうが良かった、などと考えて、行き先を変更される方もいらっしゃいます。