とはいえ、一台のカメラで二つのアングルを同時に記録することはできないので、色々と試行錯誤を繰り返している。デジカメで子どもたちを撮った直後にクルリと向きを反対にして自分を撮ったり、スマートフォンで撮ったときはすぐに画面側のカメラに切り替えて自分の顔を写したり。

 しかしこの方法ではどうしても時間差が生じてしまう。それに後になって写真に写した自分の顔を見ると、撮影されることを意識した表情だったりして、どうも自然ではない。撮影中の筆者を妻に撮ってもらったこともあるのだが、そうすると「カメラを構えている親を撮った写真」にしか見えず、やはり何かが違う。

 一人で二台のカメラを同時に操作できるようなツールはないものか……。そんなワガママを全開にして情報を集めていたところ、ついに“理想のカメラ”を発見した。それがキヤノンの「PowerShot N100」だった。

キヤノンのコンパクトデジタルカメラ「PowerShot N100」
キヤノンのコンパクトデジタルカメラ「PowerShot N100」

液晶モニターのすぐ上に“ストーリーカメラ”を搭載

 キヤノンの「PowerShot N100」(以下N100)は、同社のコンパクトカメラ“PowerShot”シリーズの新機種。

 その特徴は、液晶モニターの上に付いているもう一つの自分撮り用レンズにある。シャッターボタンを押すと同時に、この自分撮り用レンズのシャッターが切れ、写真に撮影者の表情も写り込む仕掛けなのだ。キヤノンはこれを「ストーリーカメラ」と名付けている。

液晶モニターの上に見える黒い丸の部分に“ストーリーカメラ”がある
液晶モニターの上に見える黒い丸の部分に“ストーリーカメラ”がある

 過去にもカメラ部分が回転することでモニターを見ながら自分を撮影できる機種や、3D撮影をするためにカメラを二つ搭載していた機種はあった。だが、二つのカメラで被写体と撮影者の両方を完全に同時に撮影できるというのは大変めずらしい。

 どんな写真が撮れるかというと……。