女性も男性と同じように仕事に注力できる環境が必要

息子さんとの1枚
息子さんとの1枚

―― 話を元に戻しましょう。女性、とりわけ母親とリーダーシップについて、もう少し聞かせてください。安倍首相が「すべての企業に女性役員を最低1人」と発言して以来、このテーマは日本でも関心が高まっています。

ジャッジ 私は企業の役員会にもっと女性が増えるべきだと思っています。一般的に言って女性は組織への忠誠心が高く、懸命に働き、不正を許さず透明性を好みます。特に子どもを持つ女性がもっと役員会に入るべきでしょう

 そのためには、女性も男性と同じように仕事に注力できる環境が必要です。例えば家事や育児を任せられる移民を入れるとか、24時間使える保育サービスを増やすことが不可欠だと考えています。

―― そんなに長時間預けたら、子どもと良い関係が築けないのでは、と多くの母親は心配になりそうです。

ジャッジ 親子にとって大事なのは、一緒にいる時間の長さではなく、質だと思います。私の息子はもう大人で結婚していますが、今でも私にメールで仕事上のアドバイスを求めてきます。

 あるとき、私が「あまり一緒にいてあげられなかったわね」と言う機会がありました。すると彼は「何を言っているの? ママは一緒にい過ぎるほど、僕のそばにいたじゃないか」と反論されました。私と一緒に勉強をしたことを、彼は覚えていてくれたんです。息子は、母親の私がフルタイムでしっかり働いていたことについて、プライドを持っていると話してくれます。

 ですから最初にお話しした通り、日本の働くお母さんも、罪悪感を持たずに仕事にまい進してほしいのです。そして、望むポジションをつかんでほしいと思います。