一児の父であり、共働き世帯の夫でもある名言ハンター、大山くまおさんが紹介する「子育ての名言」。今回は、仕事がある奥さんを東京に残し、娘と二人で旅行に出たときに思い浮かんだ名言を紹介します。

 先日、2歳の娘を連れて、僕の実家のある名古屋へ2泊3日の里帰り旅行をしてきました。故郷の両親に初孫の成長を見せるためです。

 仕事がある妻は東京に残ったままなので、道中は親子二人きり。

 もはや頼りになるのはこの男しかいないということを自然に察知するのでしょうか。普段はママにベタベタの娘が、なぜだかパパに甘えてきます。

 家にいるときはパパになんて見向きもしないのに、このときばかりは「パパ、パパ」とまとわり付いてくる。それは里帰り中も続き、僕の母がちょっとすねるぐらい、パパの天下でした。

 娘の愛情をパパが独り占め。いやぁ、愉快愉快。

人間に与えられた自然の恵みのうち、
自分の子どもほど甘美なものがあろうか。

マルクス・トゥッリウス・キケロ

『名言 人生を豊かにするために』里文出版

 共和政ローマ期の政治家であり文筆家だったキケロの言葉も、すっと胸に染み入りますね。

 甘美。まさにその通り。僕なんかもうトロットロです。

 普段の生活の中でも当然、子どもへの愛情は抱いていますが、ママと子の深い絆の前に父親としてほんの少し疎外感を感じることがあるのも事実です。

 もし、同じようなことを感じている幼い子を持つパパがいるなら、面倒がらずに父と子の2人だけで遠出してみるのもいいのではないでしょうか。大げさに言えば、お互いの“信頼”とか“愛情”を確かめることができるジャーニーになると思います。

電車で子どもが騒いでいるときに思い出してほしい名言とは?

 確かに、道中はやんちゃ盛りで自己主張の激しい2歳児の暴れっぷりに手を焼くこともあります。いや、手を焼きっぱなしと言ってもいいでしょう。

 例えば、新幹線に乗ることは、子どもにとって非日常でエキサイティングなシチュエーション。シートに飛び乗り、目の前のトレイをバタンバタンと上げ下げ。楽しくなればつい大声も出てしまいがちです。

 もちろん、周囲の迷惑になるので、放っておくわけにはいきません。

 僕は自分の子に向かって声を荒げることはまだありませんが、声を荒げたくなる親の気持ちもちょっと分かります。2歳の子が3歳、4歳とパワーアップしていけば、この先自分が穏やかなままでいられるかどうか、自信はありません。

 ならば、どのように「おとなしくしてほしい」と伝えればいいのでしょうか?