夏休み目前。親、自分、子どもと一緒に行く「3世代旅行」を数多く経験し、All Aboutのナビゲーターでもある、旅行ジャーナリスト・村田和子さん。この夏、3世代旅行を企画するときのコツを聞きました。

旅行ジャーナリスト・村田和子さん
旅行ジャーナリスト・村田和子さん

 皆さん、こんにちは。旅行ジャーナリストの村田和子です。中学1年の息子を持つ母親でもあります。今まで何度も3世代旅行をしています。今回は、自身の経験から、皆さんに3世代旅行の魅力をお伝えしたいと思います。

 3世代旅行は、おじいちゃん・おばあちゃん、ママ・パパ、子どもそれぞれに大きな効能がある、“一石三鳥”とも言える旅のスタイルなんです。

 まず、常日ごろ、「孫ともっと触れ合いたい」と思っている祖父母は多いかと思います。その思いを十分に満足させられるチャンスが、朝から晩まで共に過ごすことのできる「旅行」。

 特に、最近の祖父母世代は、旅慣れている方も増えています。単に観光スポットを回るだけでなく、「地元のボランティアガイドと旅先を歩き、その土地について深く学ぶ」「窯元を訪ねて自分の作品を作る」といった、体験型の旅行を求める傾向が強いんです。また、世代的に自然遊びが得意な方も多く、そんな経験を、「できたら孫と共有したい」というニーズが高まっています。

ママ・パパは「自由時間」に癒やされ、子どもの視野は広がる

 では、ママ・パパにとってはどうでしょうか? わが家もそうですが、共働きのママ・パパは、多少なりとも旅に自分達の癒やしを求めています。親子だけの旅だと、楽しくはあるけれど……、やっぱり、少し疲れるというのが本音です。子どもの面倒を自分達で見なければいけませんし、旅の計画も子ども中心になります。

 でも、祖父母が一緒であれば、交替で子どもを見ることができる。そうやって貴重な「自由時間」を確保して、夫婦二人で散歩したり、お茶を飲んでリラックスしたりする。あるいは、ゴルフやダイビングなど、大人の過ごし方ができるのです。

 子どもへの効能はと言うと、視野が広がることが一番大きい。日常の子どもにとっての社会は、結構狭いんです。学校、家庭、塾、習い事……くらいでしょう。旅行で出合う、いつもとは違う空間や、人との触れ合いは五感を刺激し、視野も自然と広がります。

 祖父母と生活を共にすることもとても良い刺激になります。祖父母は、子どもがいつも一緒に生活をしているママやパパと似ているところもあるけれど、異なる価値観や知識の引き出しを持っています。その距離感が、ちょうどいい関係性を生み出すのではないでしょうか? 私達、ママ・パパ世代にだって、「親の言うことは素直に聞けなかったけれど、おじいちゃん・おばあちゃんの言葉はすんなり聞けた」という経験はありますよね?