新しい成長戦略で日本の「働き方」は変われるか?

 6月末に向けて、産業競争力会議の議論を踏まえた新しい成長戦略が閣議決定される。冒頭に述べたように、報道は「残業代ゼロ」にフォーカスが当たっていたが、素案の「両立支援のための働き方見直しの促進」項目には、「フレックスタイム制度の見直し」や「テレワークの普及」について、しっかり書かれている。これらは、「柔軟に働く」ための施策だ。

 育児や介護、もちろん災害も人を選ばない。生産年齢人口が減る中、働きにくい状況になっても柔軟に働き続け、環境が変化して働きやすくなれば、さらにアクセルが踏める社会。それが実現できれば、共働きと子育てで悪戦苦闘している若い世代の夫婦(まさにDUALの読者のみなさん)にとって、大きな希望になるに違いない。

 ただし、長年続いた「働き方」を変えるのは、そう簡単ではない。政府による政策や規制緩和はもちろん、民間企業も、労働者も、その必要性を理解し、同じ方向を向いて努力しなくてはいけない。

 今回は「国」という視点から、テレワークについて説明したのでやや固い話になってしまったが、次回からは、企業やワーカー、さまざまな立場から、やさしく、深く、テレワークについて解説したい。

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(構成/伊藤恵)