3歳を過ぎているのであれば、5歳くらいまでならお出かけの道中で1分だけでもいいから、頑張って肩車やおんぶをしてあげてください。3歳を過ぎてしまうと、ママとのお出かけでは抱っこはもちろんのこと、肩車やおんぶなんて屈強な肉体を持つママで無い限り、ほとんど経験できません。そういう意味では、3歳以上の子どもにとっての抱っこやおんぶ、肩車というのは、言うなれば1回100万円くらいの値打ちのある経験なんですよ(笑)。

 ここで強調しておきたいのは、「パパに肩車してもらった」「パパにおんぶしてもらった」などと一生記憶に残るのは、3歳になってからだということです。それまでのことは、子どもはほとんど覚えていません。だから、たった1分でいいから、抱っこやおんぶ、肩車をしてあげるのです。

 そうすると、「そういえばパパに肩車してもらったなあ……」などと、子どもは一生、覚えていてくれます。道中のその1分間がものスゴい価値を持つようになるんです。だからこそ、私は言いたいんですね。「1分間でいいですから、やりましょう!」と。

 これは、男性の筋力を活かした、パパならではの育児ですよね。筋力の強さっていうのは、意外と多くのパパが気づいていないのですが、パパにとって子どもと関わる上での強力な武器となって、子どもの遊びの幅がさらに拡がることになります。

 もちろん、そういったスキンシップを図ることで、父子関係の絆も深まります。考えてみてください。例え自分の周りに大人が何千人いようとも、肩車をしてくれる大人なんて、せいぜい1人か2人ですよ。隣のおじさんがどんなに優しくしてくれるとしても、肩車なんてしてくれません。

 なぜなら、こういったスキンシップ遊びというのは、「本当に自分を愛してくれる人」でないとしてくれないモノだからです。愛情のエネルギーをたくさん使うことだからこそ、本当に愛していなければやらないし、それをしてもらうことで、子どもは“愛され感”を確認することができる。だからこそ、抱っこやおんぶ、肩車といったスキンシップというのは、パパと子どもにとって、本当に大切な遊びなんです。(次回へ続く)

(ライター 國尾一樹)