夫婦共働きで得た収入だからこそ、自分達のため、子どものために上手に増やしたい──そんなDUAL世帯に向けて、日本経済新聞の田村正之編集委員が資産運用の基礎知識を紹介する連載「金持ちDUAL、貧乏DUAL」。これまで2回にわたり、「投資信託」(投信)の買い方を説明してきた。
 投信とは「投資家から集めたお金を一つの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品」のこと。その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みになっている。
 投信には、プロが銘柄選びやタイミング選びで利益を上げることを目指すアクティブ(積極運用)型と、日経平均株価のような指数に連動するだけのインデックス(指数連動)型があるが、前回説明したとおり、投資初心者のDUAL世帯にお薦めなのは「インデックス型」投資が。「アクティブ型」は長年にわたって利益を上げるのが難しく、小まめにどの投信にするかを見直さないといけないので、忙しいDUAL世帯には難しいからだ。
 しかし、アクティブ型にも長年に渡って利益を上げ続けている投信も存在する。なぜ、それらは利益を上げ続けることができたのか。今回は3つの投信を例に、その理由を探ってみよう。

<過去記事で復習したい方は、こちらもお読みください>
今さらですが、投資信託ってどうやったら買えるの?
初めての投資「プロに任せたら勝てる」は間違い

DUAL世帯にお薦めの投信はインデックス型だけど……

 前回の記事(「初めての投資「プロに任せたら勝てる」は間違い」)で説明した通り、「投信」は大きく2つに分けることができる。

 運用の専門家が銘柄選びやタイミング選びで市場の平均を上回ることを目指すアクティブ(積極運用)型と、例えば日経平均株価のような指数に連動するだけのインデックス(指数連動)型だ。

 銀行や証券会社などに出かけて「おすすめ投資信託は?」と聞くと勧められるのは、おそらくほぼ100%がアクティブ型だろう。

 しかし実際には、その多くが市場(例えば日本株なら東証株価指数や日経平均株価)の平均を下回ってしまうことを前回は紹介した。結果的に預けた金額がマイナスになる、という場合も少なくはない。だからこそ、忙しいDUAL世帯が投信を始めるなら、市場の平均の成績にきちんと連動する「インデックス型」がお薦めになる。

 とはいえ、アクティブ型の投資信託にも、長期にわたって勝ち抜いた投信は存在する。