こんにちは。武蔵野大学講師の舞田敏彦です。前回は中学受験に関する分析「地域、年収、視力。中学受験との知られざる関係」でしたが、今回は大学受験のお話です。わが子の受験に関心をお持ちのママさん・パパさんも多いだろうと考え、こうした受験ネタも取り上げようと思っています。

 読者の皆さんは私と同世代くらいだと思いますが(30代~40代)、われわれの世代は大変でしたよね。団塊ジュニアの少し後の世代で人口が多く、競争相手が多かったですから。しかし今は、少子化により大学受験競争は緩和されているといわれます。選びさえしなければどこにでも入れる、大学全入時代の到来も指摘されています。

 事態の変化を統計データで可視化(見える化)してみましょう。各年の大学入学志願者数の合計数と入学者数を調べ、それらをつなぎ合わせて図1を作成しました。後者を合格者、両者の差分を不合格者とみなしています。「大学受験の43年史(1970~2013年)」の図をご覧ください。

*合格者数=入学者数,不合格者数=志願者数-入学者数

資料:文科省『学校基本調査』
*合格者数=入学者数,不合格者数=志願者数-入学者数 資料:文科省『学校基本調査』

 大学受験競争が最も激しかったのは、1990(平成2)年だったようです。この年の志願者は89万人、うち合格者は49万人。差し引き40万人(45%)が不合格となった計算になります。団塊ジュニアの世代がちょうど受験期に差し掛かった頃ですものね。さもありなんです。私は1995年の受験世代ですが、この年もなかなかキツかったようです(不合格率35%)。辛苦を舐めた級友も結構いたよなあ…。

1割を切る「不合格率」、真の大学全入時代がやってくる?

 しかし傾向としては、1990年代以降、少子化と歩調を合わせるがごとく不合格率はみるみる下がっており、2013年では1割を切っています。逆にいえば、合格率9割超。図をみても、最近では不合格者の領分はわずかであることがお分かりでしょう。あと数年もしたら、赤色の部分がほとんどない真の「大学全入時代」が到来するかもしれません。