新BOPの今後の課題とは?

 世田谷区の新BOPの職員体制は、以下のとおりになっている。

・事務局長(非常勤)
・児童指導職員(常勤職員)
・新BOP指導員(非常勤)
・プレイングパートナー(臨時職員)

 事務局長というのは新BOPの長で、小学校の校長経験者などが採用されている。また、区の常勤職員である児童指導職員が各新BOPごとに規模に応じて1〜3名配置されている。こちらは主に教員や保育士の免許を持つ人が多いという。非常勤で新BOP指導員が学童クラブの子どもの数に応じて3〜9名、さらに、状況に応じてアルバイトのプレイングパートナーも配置されている。

 全児童対策事業と学童の一体化を早くから進めてきたこともあり、世田谷区の新BOPには全国から自治体関係者が視察に訪れるそうだが、視察を終えた多くの関係者が驚くのは、その手厚い人員配置だという。手厚い上に校長経験者や教員・保育士免許を持つ区の常勤職員が配置されているのだから、“ハズレの学童”はないのかもしれないが、今後の課題などはあるのだろうか?

 「子どもの数はもうしばらく増えると予想されるなか、新BOPとして使用できる場所の確保ということが大きな課題としてありますので、小学校との連携のなかで使える部屋を増やすなどの対応が今後、必要になってくるかと思います」

 また、質も伴いながら指導員の数をどう確保していくかというのも今後の課題だと言う。

「指導員の質に関しては、こういった事業というのは人材がものすごく大事ですので、人材をどう育てるかというのもひとつの課題。研修体系を組むなど、指導員の質の向上を図ろうといったことで取り組んでいます。また、学童クラブへのニーズに対してどのように応えていくかが今後の課題です。」

 世田谷区の新BOPに関する情報は、他の自治体に比べるとかなり充実しているほうだろう。さらに学童のことを知りたい場合は、自分の子どもが通うことになる新BOPに連絡をして、見学してみることをオススメしたい。

 全児童対策事業と学童が一体化を推し進めてきた世田谷区の新BOPとはどういうものなのか、その全貌が何となく見えてきた。次回は、実際に世田谷区の新BOPを取材し、レポートしたいと思います!