すべての小学校に2つの新BOP室、1つは学童クラブの専用室

 世田谷区の新BOPでは、すべての小学校に併設する形で教室2つ分の“新BOP室”がある。空き教室を利用するところもあれば、校舎の横に新BOP室が新たに建てられている場合もあるが、基本的には小学校の校舎の一角にあるといったイメージのようだ。ひとつは誰でも入れる部屋であり、もうひとつは学童クラブに登録した子どもたちの専用室ということになっている。

 とはいえ、2つの部屋が厳密に分かれているワケではなく、例えば、学童クラブに登録している子どものみに出るおやつの時間になると、おやつを食べる子どもたちは学童クラブ専用室に集まって食べることになる。

それ以外の時間帯は2つの教室をどちらも使うことができるし、天気が良い日には小学校の校庭や体育館で一緒に遊ぶ。各新BOPごとにイベントを企画したりもするが、遊びの面での世田谷区のひとつの特徴として挙げられるのは、区内にある25の児童館との連携だ。各児童館の職員が管轄の新BOPに出張して「出前児童館」を行い、イベント的な遊びを仕掛けているのだという。

 「学童の部屋とBOPの部屋といった感じで便宜上、分かれてはおりますが、おやつの時間以外は分け隔てなく2つの部屋を使って遊んでいます。違いといえば、学童の部屋には台所や畳の静養スペースがあったり、学童の部屋のランドセル棚には登録している児童の名前が書いてありますが、BOPの部屋のランドセル棚には書いていないといったような、違いがあります」

 夏期であればBOPのみに登録している子どもたちは17時(冬期は16時30分)までに退所する。その後の1時間は学童クラブに登録している子どものみになるので、学童クラブ専用の部屋で静かに過ごすようになっているようだ。親の希望として多いのは、学童で宿題をさせて欲しいというものだが、世田谷区ではどうなのか?

 「特に学童クラブでこの時間はみんなそろって宿題をするといった決まりなどはありませんが、普通の遊びの時間に、親御さんと約束しているのか、自主的に勉強をしている子もいます。BOPの子どもたちが帰った後は、わりと帰宅に向けてゆったりと過ごす時間になるので、その時間に本を読んだり宿題をするといった光景はよく見られます。声かけをするようなことはあるかもしれませんが、特に宿題をする時間を設定をしなくても子どもたちが自主的にやるといった感じです」