画像3は、人気進学校・鴎友学園女子中学の2013年の社会科の入試問題だ。公民の分野の問題ではあるが、重箱の隅をつつくような知識は不要。基本的な単語の意味さえ理解していれば、あとはグラフを読むことで「所得税と法人税の税収は景気に左右されるが、消費税は景気に左右されない」ことがわかる。そこから「景気に左右されない安定税収を増やすために、政府は消費税を増税した」と考えられることを論理的に説明すれば正解だ。


画像3 鴎友中学2013年社会入試問題より

 グラフの中の情報から、法則や仮説を見出し、それをもとに論理的思考をさせる問題は、実はPISAでも頻繁に出題されている。

 中学受験のためには、たしかに大量の知識を身に付けることも必要だ。しかし単に丸暗記しただけでは太刀打ちできない問題が実は多い。それも当然である。どの私立中学も単純な知識だけを詰め込んだ生徒などほしくないだろう。考える楽しさを知っている意欲的な子どもを見出すための問題をなんとかして作ろうとするはずだ。「PISA型学力」などと呼ぶとあたかも今までなかったもののような印象を与えるが、実は中学入試においては数十年も前からスタンダードとなっていた学力観なのである。