共働き家庭にとって大きなサポートの一つが、祖父母の存在。「孫がかわいいから」と手伝ってくれる半面、娘や息子、嫁や婿との子育てジェネレーションギャップを抱える祖父母の本音を聞いてみた。今回は、宮崎県の自宅から東京の娘家族のところまで数カ月おきに上京して、育児を手伝っている遠方通い祖母の本音をレポート!

【祖母プロフィール】
佐多さん(女性、仮名)
50代後半。自営業の夫と宮崎に住む。産後2カ月まで保育士として働いた経験がある。3カ月に1回程度、2~3週間ほど上京し、都心に住む長女や次女の家に滞在。長女には小1(男)と年中(男)の子ども、次女には年少(女)の子どもがおり、長女や次女の家に滞在し、2軒を往復して育児サポート。地元では、ファミリーサポートの提供会員として、地域のママ達の子育てを手伝う。既に東京での茶飲み友達もでき、「東京に来るのが楽しみ!」な明るい祖母。

“孫警報”が発令されたら、始発に飛び乗り8時間!

――佐多さんは、普段は宮崎のご自宅で暮らしていらっしゃるんですよね? 東京の娘さんのところには、どのようにしていらっしゃるんですか?

佐多さん宮崎は直通の新幹線もないので、在来線と新幹線を乗り継いで8時間以上かけてくるか、夜行バスを使うことが多いですね。飛行機で行けば早いんでしょうが、娘から急なSOSが来るときも多く、飛行機は直前ではなかなか取れませんし、航空券も高いですしね」

――8時間以上! 体力的につらくないですか?

佐多さん「孫に会えるのがうれしいので、移動中はワクワクするんです! だから、あまりつらいと思ったことはありません。いつもはGWや孫の入学やイベントに合わせて、多いときで年に3、4回、長くて2週間ほど滞在します。娘が2人とも東京に住んでいてそれぞれに孫がいるので、滞在中は両家を行ったり来たりしますね」

「新幹線で来た」と言うと乗り物好きの孫も喜ぶ
「新幹線で来た」と言うと乗り物好きの孫も喜ぶ

――かなり定期的に上京されるんですね。予定外に上京することもあるんでしょうか?

佐多さん「やはり、孫が小さいうちは体調を崩しやすく、特に男の子は風邪をこじらせたりして入院などもありました。娘からは『明日すぐ来て!』の緊急SOSと『危ないかもしれないから待機して』という警報の2種類の事前連絡があるんです。娘が仕事に復帰してから、当時1歳だった孫の入院が深夜の救急病院で決まったときは、夜中の1時ごろ電話がかかってきて『明日来て! お願い!』と悲痛なSOSがありました。そのときは、グーグーいびきをかく夫を尻目に、私は寝ずに荷造りして、夫が起きたら『こういうことなので、行ってまいります』と伝えて始発に飛び乗り、午後には東京にいました。この緊急SOSは過去2回だけでしたが、『子どもが風邪をこじらせそう。1週間くらい休むかもしれないから、そしたらお願い』という警報は年に1、2回あります。そんなときは、夫にも伝えておき、いつでも出られるように荷造りをしっかりしておいて、次の連絡を待ちますよ」

――SOSに警報! 確かに子どもの病気って突然ですよね。滞在中はどんなことをお手伝いされるんですか?

佐多さん「基本的には、全部です。孫の保育園の送迎から家事全般ですね。娘も婿も忙しい仕事で残業が頻繁にありますし、特に私がいる間は任せられるから残業しやすいこともあるんでしょう(笑)。孫が保育園や小学校に行っている日中も、掃除、洗濯、食材の買い出し、料理とフル回転で家事をすべて引き受けるので、ぼーっとしている時間はありません。孫達は、普段は延長保育の19時半まで保育園にいるようですが、私がいるときは特別に16時半くらいにはお迎えに行ってあげます。その後は、遊んだり夕飯食べさせたり。ママやパパの帰りが遅いときは、お風呂にも入れて寝かしつけまでしますよ