食品宅配サービスの使い方をQ&A形式でまとめる特集の最終回です。前回は有機野菜などが定期的に届く自然派食品宅配の基本サービスを解説しました。
 今回も、同サービスを20年以上使っているライターの根本佳子さんが、サービスの選び方や料理の時短に使える食品、子どものいる家庭に便利なサービスを中心に紹介します。

【Q】 野菜の鮮度や有機野菜の取り扱い方に、大手各社で違いがありますか

【A】 野菜の鮮度は、基本的に各社とも同じと考えていいと思います。

 まず各社とも契約農家から野菜を仕入れています。全国各地に野菜を集荷するセンターがあり、収穫した野菜は農家から直接センターに届きます。そこで梱包をするセンターに運び、注文に応じて野菜などを箱に詰め、配送する仕組みです。

 野菜の鮮度を保つ秘訣は温度管理。野菜の種類にもよりますが、最初にきちんと冷やすことで鮮度を保ったまま配達できるということです。

 有機栽培の野菜は、農林水産省が決めた基準(栽培する土地にも野菜にも化学肥料や農薬を使用せずに育てたなど)を守ったものだけが表示できることになっています。ただし、有機野菜を作るにはノウハウが必要で、誰にでもすぐに作れるというわけではありません。自然派食品宅配サービスと契約しているのは、経験豊富な農家が多いと考えてよさそうです。

 有機栽培では作れない農作物もあり、その場合は減農薬で栽培します。減農薬栽培は、実は有機栽培とは異なります。一般的には、通常の栽培方法の半分以下の農薬で栽培したものは「減農薬」と呼べるため、どんな農薬をどの程度使っているかは会社によって異なります。

 農薬の使用状況について詳しく知りたい場合は、入会前にサポートセンターに問い合わせてください。そこできちんと説明してくれるかどうかも、サービスを選ぶ判断基準のひとつとなります。

【Q】 それぞれのサービスは、結局どんな人に向いているのですか

【A】 大地を守る会は、商品の価格は高めですが、有機栽培の野菜や安全に主眼を置いた肉を買いたい人に向いています。添加物を極力使わない加工食品もあります。

 らでぃっしゅぼーやは有機野菜に加えて、化学調味料無添加の加工食品が豊富です。日用品の品目も多く、1つのサービスで生活必需品をまとめて買いたい人に便利です。

 オイシックスは生で食べられるカボチャ、ゆでるとパスタのようになるウリなど、珍しい野菜も多いのが特徴。宅配セットに牛乳や豆腐、肉類も入っており、定番野菜だけでなく、種類のバリエーションを求める人に向いています。毎週ではなく2週間に1度の配達も選べる、野菜セットの内容を自由に変更できるなど宅配の利便性も高く、料理は毎日できないけれど食の安全性などには気を配りたいと考える人に便利です。赤ちゃんのいる家庭には月齢に合わせた食品が届く「プレママ&ママコース」もあります。

 パルシステムは、同じ野菜でも有機野菜・減農薬野菜・通常栽培と選択肢が多く、家庭の状況に合わせて選べます。他のサービスと比べると日用品、衣類など商品数も多く、価格も安めです。コストパフォーマンス重視の人におすすめです。