食品宅配サービスの使い方をQ&A形式でまとめる特集の第3回目です。第1回目第2回目ではネットスーパーを取り上げましたが、今回は有機野菜などが定期的に届く「自然派食品宅配」について取り上げます。
 自然派食品宅配は「有機野菜は体によさそう」「でも、注文や受け取りが面倒くさそう」など、さまざまなイメージを持つ人も多いでしょう。自然派食品宅配サービスを20年以上使っている根本佳子さんが、基本的なサービス内容を解説します。

【Q】 自然派食品宅配はどういうサービスですか

【A】 有機栽培の野菜をはじめとした安心・安全を主眼にした食材を配送するネット通販です。ネットスーパーと最も違うのは、週に1回もしくは2週間に1回など、食材を定期的に宅配するところです。

 多くのユーザーは体の調子を気にしたり子どもに良いものを食べさせたいという思いから、妊娠や出産をきっかけにサービスに入会します。販売している加工食品にも安心・安全に気を配っているものが多く、忙しい共働き世帯には心強い味方です。

 定期宅配の代表的なサービスは4つ。「大地を守る会」の会員制宅配、「らでぃっしゅぼーや」の定期宅配コース、「オイシックス」の「おいしっくすくらぶ」、そして「パルシステム」です。

【Q】 主な運営会社の特徴を教えてください

【A】 大地を守る会は、上記のなかでは最も古く1975年に創業。「有機栽培に優れた農家と昔から契約している」のが会のアピールポイントです。提供する野菜のうち、約75%が化学肥料や農薬を使用せずに育てた有機栽培、25%が減農薬栽培です。有機栽培の比率が高く、こうした野菜にこだわるなら有力な選択肢になります。会員制宅配の会員は約9万5000人です。

 らでぃっしゅぼーやも、25年前に個別宅配を国内で最初にはじめた老舗サービスで、有機野菜を多く扱います。「全国の野菜産地と契約。南の産地から北の産地へと出荷場所を変えることで、その季節の旬の野菜を長い期間楽しめるのがメリット」とうたいます。同社では加工食品も多く扱っています。加工食品の原料は調味料まで含めてすべて国産が基本。市販の加工品とは異なり、化学調味料を使っていません。会員は約11万世帯。また2012年、NTTドコモが買収しました。

 オイシックスは、野菜セットの商品を自由に変更できる、配達間隔を調整しやすいなど、宅配の利便性の高さが特徴です。また地方の珍しい野菜を国内から発掘し、自社基準に合致した加工食品も数多く販売しています。定期宅配の会員は、約8万人です。

 パルシステムは、関東エリアで約130万人の会員を集めている生協(生活協同組合)の1つです。生協は全国各地にありますが、安心・安全を第一にするところからネットスーパーのように市販品を多く宅配するものまでそれぞれ特徴があります。パルシステムは有機野菜、減農薬野菜をはじめ、生産情報をトレースできる食材を多く扱います。会員数が多く食材の調達コストを抑えられることから、品質の高さの割に価格が安いコストパフォーマンの高い商品が多いのも特徴です。

左が大地を守る会、右がらでぃしゅぼーや
左が大地を守る会、右がらでぃしゅぼーや

左がオイシックス、右がパルシステム
左がオイシックス、右がパルシステム