自分の理想を押し付けず、子どもの個性を伸ばしている親といえば、この人なんじゃないでしょうか? 国民的コミック『クレヨンしんちゃん』の主人公しんのすけの父親、野原ひろしです。
いたずら、わがまま、傍若無人を地で行く5歳児を相手に、たまに声を荒げることもありますが、いつも大きな心で明るく受け止めているのは、すごいの一言。しんのすけに眉毛をそり落とされてしまったエピソードでは、落ち込んだりしたものの、しんのすけを叱ったり、恨み言を言ったりせず、最後はカラッと明るく笑い飛ばしていて驚嘆しました。さすが“理想の父親”として多くの人から名前が挙がるだけの男です。
この言葉は、そんなひろしの優しさが表れていると思います。子どもはのびのび自由で当たり前。多少のヤンチャやいたずらは大目に見ましょうね。
最後はイギリスの偉大な劇作家、シェークスピアの言葉より。
賢い父親であるために、子育てについての知識をたくさん詰め込む必要はないのだと思います。それよりも、自分の子どもをよく見て、どんな個性がある子なのか、どんなことをするのが好きなのか、どんなことを求めているのか、などを知っていればいいのでしょう。
毎日子どもを見ていれば、体調の変化だって、そのときの機嫌だって、すぐに分かります。自分のことを言葉でうまく伝えられない子どもなら、なおさらよく見てあげることが必要だと思います。それができる父親が、賢い父親なんでしょうね。
(文/大山くまお)