受験をマネジメントしたのは母。父は補佐役

――お父さんの意見はどうでしたか?

 「やりたいならやればいい」というのが基本の姿勢で。夫には私の不安とか愚痴を聞いてもらいました。それがなかなか大変だったみたいです。私も夫も中学受験の経験はなかったんですが、両親の間で、塾に通うことや受験することに関する意見の食い違いや衝突はなかったです。

 普段は無関心なんですが、私が言えば塾の保護者会に一人で出席して、びっちりメモを取ってきてくれました。一番大きな仕事は、第一志望校の試験の一つに親子面談がありましたが、それに出席してくれたことです。

――母親がメーンで動いて、父親が協力するという形だったんですね。

 そうですね。他のお父さんを見て、「うちももう少し積極的だったらな」と思うこともありました。でも、両親が二人ともメーンで受験に関わると、もし意見が食い違ったときに大変なのかもしれないですね。きっと、どちらの意見も、子どもを思ってのことなので……。

やっぱり塾は先生次第だと思う

――ご自身の経験から、これから塾選びをする人へのアドバイスをください。

 やはり近いところがいいと思います。小6になると週3日は通うので、遠くに通わせるのは時間のロスになるので。その点、うちは3分で帰ってこられるのでよかった。ただ、うちの子が通ったのは、沿線にある同じ塾の教室の中でも一番評判が良い教室だったんです。近隣の町から通ってきている子もいましたので。そういう塾がちょうど近所にあったのは幸運でした。

 もう一つ、塾は先生次第だと思います。同じ授業料を払っても先生によって大違い。先生の仕事は子どもを教えるだけでなく、半分は保護者のサポート。頼ったり愚痴を言ったりする相手がほしいなら塾の先生に相談するのもいいと思います。

 とにかく面倒見のよい先生がいたんです。うちの子が受講していたのは平日の週3日だったのですが、土曜日も無料で補習してくれる。塾に入ってから近所の方に聞いてこの先生を知りましたが、習い事をやめてでもこの先生に教わって正解でした。

 意外だったのは、親が塾に行く機会が多いこと。保護者会で勉強のしかたなど教わりました。受験前は月に2回、学年主任の先生と親との面談もありました。

 ただし、先生も話す相手によって違う意見を言うことがありますね。同じ塾に通わせている親同士で話していて気付きました。同じ学校について、私と話したときはいいと言ったのに、お友達の保護者にはそうでもなかったり。その学校が子どもに向いているかどうかで、少し話を変えているんだと思います。でも、子どもに対してはいつも温かく応援してくれる先生なのでよかった。塾によっては、合格率を重視して、合格が確実な学校を薦めてくる先生もいるだろうから。