起業の最大のメリットは、自分の時間をマネジメントできること

―― 愛さんの働き方を見ていると、ママであることのメリットも多いように感じます。今回の妊娠や出産も、仕事にとってもプラスに働きますよね。

青木 そうですね。29歳で長男を出産して、長男が3歳のときに起業したのですが、その後、次男を妊娠しているときには自分の身体を使ってマタニティ服の買い付けをしていました。やっぱり、自分自身が妊婦の時は、「お腹まわりがきつくないか」とか細かいところまで見ることができたと思います。そして、妊娠や出産の記憶が遠くなって来た頃、39歳で長女を出産することになり、再び初心に帰りました。今また自分で買い付けてきた授乳服を着て、授乳していますから(笑)。

 自分の時間を自由にマネジメントできることが起業の最大のメリットですよね。母親として子どもにも手を掛けたいし、子どもの教育もしっかりしていきたいし、だけど働くことも叶えていきたいというバランスがある。

 編集の仕事をしているときはうまく回せなかった時間を、人の目を気にせずに、自分で作り上げていくことができる。そのライフスタイルに合った働き方を変えていくことができる、働き方を毎日変えることだってできる。だから3人も産めたのだと思います。

―― 起業という選択は間違っていなかった、と思っていますか?

青木 間違っていなかったですね。私には合っていたのだと思います。元々、人に言われたことをやるよりも、自分が好きなことや興味があることにどんどんチャレンジしていきたいタイプだったので。ファッション雑誌の編集の仕事は大好きでしたし、自分の担当ページはかなり自由に企画させてもらえるので楽しかったのですが、周囲を気にせずに育児にも時間を割くことは簡単ではありませんでした。

 5年前からは、家事代行兼ベビーシッターさんをお願いしているのですが、長女はまだ0歳で授乳もあるため、午前も午後も会社に連れて来てもらっています。デスクと並んでベビーベッドが置いてある……という社長室です(笑)。

社長室のデスク横には真っ白なベビーベッド

授乳タイムが来ると、会社近くの家からベビーシッターさんが0歳の長女を連れてきてくれる

社長室での授乳も手慣れたもの