子どもが入院するなんてあまり考えたくないことかもしれませんが、いざそうなってみると、「もっと早く知っておきたかった」ということが多くあります。

 今回は、実際に子どもが入院になった経験を持つ親の体験談と併せて、入院になったときに慌てないよう、あらかじめ知っておきたいことを紹介します。

祖父母の手を借りる、夫婦で交代、泣く泣く預ける…共働き親が悩む「入院付き添い」

「子どもの入院」で知っておくべきポイント(1)付き添い

 子どもが入院したときに、共働きの親が一番困るのが「付き添い」です。24時間親の付き添いが必要なのか、看護師さんに任せて帰宅してよいかは、病院によって異なります。大まかには下の3パターンに分けられます。

1.24時間の保護者付き添いが必須
2.保護者は、夜は帰宅しなければならない
3.日中は付き添う義務はないが、可能な限り、保護者が泊まって付き添い

 24時間付き添いに関しては、メリット・デメリットがあります。実際、子どもが入院したことのある保護者の方の声を紹介します。

<24時間、付き添いが必須だった親の体験談>
子どもの入院後、夫婦共に寝込んでしまった
●「週末や夜は両親が交代で付き添うとしても、共働きの場合、とても困るのが平日昼の付き添い。両方の祖父母にも対応してもらったが、病院の付き添いは疲れるので、高齢であることもあり、頼り過ぎることもできない。常日ごろから助け合えるネットワークを確立することの大切さを痛感した。子どもの入院は想像以上に大変で、夫婦共に子どもの退院後、体調を崩して寝込んでしまったほどだった」

子どもの心細い気持ちを考えると付き添いのほうがいい
●「子どもが知らない人と過ごすことの苦痛や看護師の数が少ないことを考慮して、私は付き添いのほうがいいと思っています。特に入院期間が短くて済みそうであれば、親の体力的にもそのほうがいい。わが家は、夫婦二人+義父母の体制で臨みます。子どもが小さいと、病室に子どもを一人残して親がトイレに行くタイミングも難しい。でき得る限りのヘルプを頼み、パパも巻き込むことが大切だと感じています」

付き添い者は飲食禁止、席も一人では外せない
●「付き添い者の飲食は禁止だったため、実家の母が交代に来てくれるまで、自分が食事を取ることはできなかった。「自分が席を外すときに交代者は必須」ということも、入院前に理解できておらず、大変だった」

<24時間付き添いが必要ではなかった親の体験談>
上の子が面会に来ても入院している下の子に会えない
●「入院したのは子どもが生後4カ月のとき。病気で寝たきりの子どもに親ができることは少ないため、24時間付き添いが必要でない入院は本当に助かった。それでも、小学生以下は面会不可だったので、土日の面会時にも上の子を連れていけなくて大変だった」

上の子がいたので、付き添いなしはありがたい
●「個室であれば付き添い可能な部屋もあった。しかし、上の子がいることから、看護師さんに「上の子のフォローも大事なので、下の子は病院に任せてお母さんも無理しないで」と言ってもらい、看護師さんにお任せした」

親との別れで泣き叫ぶ子ども達。できれば転院したかった
●「親の付き添いができない病院に子どもが入院していた。19時になると小児科病棟はあちこちで泣き叫んでいる子ども達。わが子も同じ。ただでさえ具合が悪いのに、病院に残して帰らなくてはいけないのか…と胸が痛かった。できることなら転院したいと思ったほどでした」

 ひと口に「付き添い可能」といっても、病院によって事情は異なります。保護者が病院に泊まるケースでも、親以外はダメ(祖母や親戚も不可)、女性でないとダメ(パパはNG)など条件も違います。