仕事を優先し、結婚・出産を後回しにする女性の増加に伴い、不妊のリスクも増しています。「共働き夫婦で、第一子はできたけれど、第二子がなかなかできない」という“隠れ不妊”に悩んでいる人もいます。妊娠に関する正しい知識を、アラフォーで2児の子育て真っ最中、アメリカ・ボストン在住の産婦人科医、樽井智子(たるい・ともこ)さんが教えます。

 前回記事の「30歳が1カ月で妊娠できる確率は20%、40歳で5%」では、妊娠が成立する詳しいプロセスや、20代が最良の妊娠適齢期であること、卵子はアンチエイジングできないことなどについてお話ししました。今回は、不妊症とその現状について説明します。

あなたの生殖に関する知識はどのくらい?

 まず初めに、皆さんの生殖に関する知識について力試しをさせていただきます。

 以下は、最近イギリスの研究者によって行われた、一般の人々の「生殖に関する知識についての調査」で使われた、13の質問です。それぞれの質問について、「正しい」「間違っている」「分からない」の3択で答えてください。

【生殖に関する知識についての13の質問】
1. 女性は36歳を過ぎると妊娠しにくくなる
2. 避妊せずに1年間夫婦生活を持ったカップルが、1年経っても妊娠に至らない場合を不妊症という
3. 喫煙は女性の生殖能力を低下させる
4. 喫煙は男性の生殖能力を低下させる
5. カップルの10組に1組以上が不妊である
6. 精子がつくられていれば、その男性は生殖可能である
7. 現代の40代女性は、30代のころと同じように妊娠できるようになってきている
8. 健康的な生活を送っていれば、「妊孕力」(妊娠する力)を維持することができる
9. 男性が思春期以降におたふくかぜにかかると、将来、不妊症になる可能性が高まる
10. 生理が全くない女性でも妊娠は可能である
11. 標準体重より13kg以上重い、肥満の女性は妊娠しにくい
12. 男性は、勃起できれば、「妊孕力」(妊娠させる力)がある
13. 性行為感染症にかかると、「妊孕力」(妊娠する力)が低下することがある

 答えは以下の通りです。
1.○ 2. ○ 3. ○ 4. ○ 5. ○ 6. × 7. × 8. × 9. ○ 10. × 11. ○ 12. × 13. ○

 さて、どのくらい正解できたでしょうか?