日本でも導入が始まった「ジョリーフォニックス」

 日本でも、英語教室はもちろんのこと、最近では英語の授業でジョリー・フォニックスを取り入れる学校も出てきた。今年度は、つくば市にある私立小学校3校と中学校1校、そして大阪府の公立小学校などで実施されているという。

 現在、導入を検討している自治体もあるというので、今後はさらに増えていくのだろう。

 ジョリーフォニックス公認プロフェッショナルトレーナーの山下桂世子さんは、「ジョリーフォニックスの場合は特に、英語を知らない子どもにも、アクションやお話、イラスト、歌など、その子が得意とする感覚を使えるため、文字の綴りと音の関係を無理なく導入できるプログラムになっている」と話す。

 前述した“a”などのほかにも、 “c”“k”や“o”“a”などを含めた42種類のアクション(発音)すべてを習得するまでに1カ月くらいかかっただろうか。

 日本の保育園から転校したばかりの娘でも、楽しくアクションしているうちに英語が読めるようになったため、自信が付いたのかもしれない。フォニックスを習得した後の宿題は、日本の小学校と同じように音読の宿題に移ったが、意味を理解できているのか不安になるほど、フォニックスに従ってスラスラと音読していて驚いたのを覚えている。

規則性に当てはまらない“例外の単語”は後から覚えればいい

 フォニックスの規則性に全ての単語が当てはまるわけではない。フォニックスの読み方の通りではない、綴りの単語も複数あるからだ。でも、それは後から覚えていけばいいのだという。

 例えば、“the(ザ)”や“said(セッド)”は、フォニックス読みだと“the(ゼ)”“said(セイド)”となるので、“Tricky words(ひっかけ単語)”と呼ばれる例外単語に分類される。

 その他、“we(ウィー)”“me(ミー)”“he(ヒー)”“she(シー)”などもフォニックスの読み方ではない。これらの単語は、「最初の文字はフォニックス読みだけれど、最後のeは(エ)ではなく(イー)とアルファベットの名前のままの読み方をする」と教わるという。

 フォニックス習得後、先生が話したことを聞き取って文章を書く……という授業をやっていたときに、子ども達が書いたものを見せてもらったことがあった。ところどころに、単語の綴りが違うものがあって、私が「あらら」という顔をしていたら、先生が言う。

 「今はフォニックスで教わった通りに書く事ができれば大丈夫。例外の単語はあとから覚えていくから、今は指摘して修正することはしないの。フォニックスの通りに書いていれば問題ないと思ってね」

 言われてみれば、半分以上いるネイティブの子ども達も同じように間違っている。いや、フォニックスの通りに書いているのだから、正解というべきか。

 日本の公立小学校でローマ字を習い、公立中学校で英語の授業をスタートさせた私にとって、娘のインタナショナルスクールの教育は新しい発見ばかり。大きな用事がなくても足を運びたくなるほど、面白い場所となっている。

※ジョリー・フォニックスの教材はAmazonなどでも購入可能。
『Jolly Phonics Workbooks』
『Jolly Phonics Extra』(山下さんオススメ)