——失礼ですが、息子さん夫婦からお孫さん達を毎日見ている“お礼のようなもの”はもらうのでしょうか?

三浦さん 「いえいえ、もらいません。作って持っていく食費やうちに置いている孫たちの服代も、私が自分で出してますよ。私も、まだ仕事をしていますから、かまわないと思っています。私には、嫁や息子のために孫を見ているという気持ちがないんですよ。すべては孫のため。早くお迎えに行ったら喜ぶだろうな、お風呂一緒に入りたいな、好きなもの食べさせてあげたいな、と。孫を見させてもらっていると感謝の気持ちですから(笑)

——では、三浦さんへの何かお礼のプレゼントなどは?

三浦さん 「私の誕生日には、ケーキを持って孫と『ジイジおめでとう〜!』と来てくれますよ。実はもう一人離れた所に息子がいて孫もいるんですが、そちらはそこまで見てあげられていないので誕生日には何も来ない(笑)。まあ、当然でしょうね。あとは年に数回、国内旅行に一緒に行くときに宿泊費を出してくれるときもあります。でも、そんなときも私がお礼にと食事をごちそうすることもあるかな〜。まあ、お礼なんていいんですよ。まだ私も働いていますから

——……(感動で言葉が出ない)。

どんなに面倒を見てもランキングは3位以下のジイジ

——でも、でも…(しつこい)、やっぱり息子さんやお嫁さんに腹が立つことはないんですか?

三浦さん 「腹が立つというか、悔しいことがあるとすれば、孫達の中の私のランキングです(笑)

——ランキング? これだけ世話をされていたら、「ジイジが1番」ではないんですか?

三浦さん 「やっぱり1番は、お母さんなんです。それは仕方ないと思ってます。でも、毎日残業で週末も仕事に行ってしまうお父さんが2位って言うんですよ。『なんでお前に負けるんだ』って息子と飲んでるときに文句言ってやりますよ(笑)

——お母さんとお父さんが勝つんですね(笑)。それでは、ジイジは3位?

三浦さん 「それが、『ジイジかな? バアバかな?』って孫達が2人で相談を始めるんですよ。で、結局3位とも4位とも言えない状況。こんなに面倒見てるのになぁ(笑)」

決意したはずの孫離れ&妻孝行は、当分先かな…

——そんなお孫さん達も1人は小学校に入られて、どんどん大きくなって離れていくのは寂しくないですか?

三浦さん 「実は、上の孫が小学校に入るときに学童に入ることになったので、『孫離れするぞ! 今後は妻と旅行も行く』と宣言したんです。退職したときに『これからは海外も行こう』と妻孝行の約束をしていたのに、それも1回行っただけで、孫が生まれた後は行かなくなりました。私がいないときに限って、孫が熱を出したりするんですよ。だから、それからは心配で行けないじゃないですか(笑)」

——じゃあ、小学校に入って少しのんびりされるようになりましたか?

三浦さん 「それが、学童があまり好きじゃなくて『ジイジの家に行きたい』って言うんです。結局2週間で学童をやめちゃって、うちに来てる(笑)。今後は放課後に友達もうちに連れてきて遊ぶようになるかもしれませんね。だから、まだまだ孫離れは先ですね

——そんなにお孫さんが中心だと、奥様は不満を口にしていらっしゃらないですか?

三浦さん 「言ってますよ(笑)。『海外旅行にいっぱい行くって言ったのに』とか『ヨーロッパ行きたい』とか。妻には申し訳ないと思うんですけどね…。でも、下の孫が小学校の低学年くらいまではきっとこんな感じでしょうから、妻孝行はもうちょっと先に待っててもらうしかないですね。孫離れ…一度は宣言したはずなんですけど、当分無理でしょうね〜(笑)」

  三浦さんの話に感嘆の声をあげるばかりだった編集部とライター。“真のイクジイ”になった背景にあったのは、自身の育児は妻任せだった仕事一筋のサラリーマン時代があったこと、40年前から、覚悟を持って育児と仕事を両立させようと奮闘する女性の姿を見てきたこと、仕事を辞めさせた妻への申し訳ない思い、そして何より孫への愛情でした。最後に、「両立頑張ってくださいね。そして、子育てをしながら働くママさんとパパさんを支えるメディアになってくださいね」とエールをいただいたときには、込み上げるものがありました。

 次回は、自身も定年まで働き続けたワーママの大先輩であり、2人の孫育てと娘の両立を支援するアクティブな祖母を紹介します。

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(ライター/岩辺みどり)