共働き家庭にとって大きなサポートの一つが、祖父母の存在。子育ての先輩としてアドバイスをくれる祖母だけでなく、今や保育園の送迎からオムツ替えまでする祖父“イクジイ”(育爺)も増えてきているという。「孫がかわいいから」と手伝ってくれる反面、娘や息子、嫁や婿との子育てジェネレーションギャップを抱える祖父母の本音を聞いてみた。今回は、育児を積極的に行う祖父“イクジイ”の究極の姿をリポート!

(日経DUAL特選シリーズ/2014年5月収録記事を再編集したものです。)

【祖父プロフィール】
三浦さん(男性、仮名)
60代半ば。妻と2人で都内在住。メーカー企業の顧問として週5日勤務しながら、近くに住む小1と4歳(年中)の孫(長男の息子達)の世話をする“イクジイ”。ジムにも週4日通っている。

朝の送迎から保育園の洋服の管理、帰宅後のドリルまで…ジイジは育児のほとんどを担う

——毎日お孫さんの面倒を見ていらっしゃるそうですが、普段はどんなことをサポートされているのですか?

三浦さん 「うちから徒歩5分のところに住んでいる息子夫婦の小1(男)と4歳(男)の孫の面倒を見ています。一時期は、2人の保育園の朝夕の送迎をしていた時期もありますが、今は下の子の保育園のお迎えだけ。4時半過ぎに迎えに行き、晴れの日は徒歩、雨の日は自転車に乗せて私の家に戻ります。上の子も小学校が終わると私の家に帰ってくるので、一緒に遊んだり、お風呂に入れたりして、7時ごろに嫁(孫の母親)が帰宅するのに合わせ、うちから徒歩5分の自宅に送っていきます。平日は毎日世話をしていますし、週末も息子(孫の父親)が1日は必ず仕事があるので、孫の面倒を一日見ることもよくあります。嫁と私と孫の4人で出かけることもありますし」

——えっ!? おじいちゃんがお孫さん2人の面倒を一度に見ているんですか!? 体力的に大変ではないですか?

三浦さん 「動きたい盛りの男の子なので、確かにジッとしていることなんてないですよ(笑)。ですから、なるべく外に連れ出したり、一緒に遊んだりします。私も、今はメーカーの顧問ですが、前職は体を動かすことの多いタフな営業職だったので、他の同年代の方よりは体力があるほうかもしれないですね。ここ10年は週4日ジムに通ってキックボクササイズなどのプログラムに参加しています。

 保育園や学校から帰ってきたら、まず20分間勉強の時間にしています。私が用意したドリルなどに1、2枚ずつ取り組んで、終わるとおやつ。それから遊んだりお風呂に入れたり。さらに、体操教室やスイミングにも週1回ずつ通っているので、その送迎も私がしています。

 お風呂に入れるときに一緒に保育園から持ち帰った服も、子どもが着ていた服も洗濯機に入れて洗って、子ども達には次の日の洋服を着せて家に帰します。上履きも私が洗いますよ。だから、うちと孫の家と両方、同じくらい洋服がありますね。保育園の服のストックの入れ替えなどは私が管理しています

——えっ! 保育園の服や上履きまで洗ってらっしゃるんですか? 食事も一緒に食べさせるんですか?

三浦さん 「お風呂のときに洗濯機に服を入れる“ついで”ですから(笑)。だから、うちにも洋服のストックが増えていきますよね。妻と私も買ってあげていますし。服や靴がもうきつくなってきたな、というのも嫁より私のほうが先に気付くことも多いですね。そうするとつい『そろそろ買わなきゃな〜』と思ってしまいますよね。

 孫達がもっと小さいころは、おなかがすいて食事が待てないので、わが家で食べさせていましたが、最近は妻が料理したものを容器に入れて、孫を送るときに届けています。息子から『子ども達が母親と一緒に食事する時間を大事にしてあげたい』と要望があったので、食事は基本的には嫁と孫だけであちらの自宅で食べてもらっています。7時を過ぎることも多いので、子ども達には待たせるのが、ちょっとかわいそうですけどね」

専用“ジジチャリ”を乗りこなし、わんぱく男子2人と日々格闘

——雨の日は自転車でお迎えとおっしゃっていましたが、いわゆる“ママチャリ”に乗せているんですか?

三浦さん 「はい。下の子が保育園に通い始めたときに、2人連れての登園は大変だと思って、電動自転車を購入しました。息子家族の家にも1台ありますが、こちらはジイジ専用の1台でわが家に置いてあります

保育園の送迎をする三浦さん。前後に孫を2人のせて走るときもある
保育園の送迎をする三浦さん。前後に孫を2人のせて走るときもある

―その自転車は、息子さん夫婦からプレゼントされたんですか?

三浦さん 「いえいえ、私が買いましたよ。電動は楽ですし、私からすれば体の小さな若いお母さん達がお子さんを乗せて走っているほうが、きっと重くて大変だろうな〜と思って見ています」