Q.1歳の娘にどう遊んであげればいいのか分からない
A.子どもは勝手に遊ぶし、大人以上に自分で楽しみを見つけるのが上手よ
──今回は、「子どもと2人きりの時間が長いと、何をして遊んであげればいいか分からなくなる」という、1歳のお子さんを持つママからの相談です。
“遊んであげる”という考え方がおかしいのよ。大人のほうから遊んであげるなんてこと、子どもに対して失礼だと思うの。子どもはいつも勝手に遊んでいる。大人以上に楽しみを見つけるのが上手なはず。お母さんが仕事に復帰したということは、子どもを保育園に通わせているということでしょう。そこで色々なことを見つけてくると思います。
私が保育士として勤めた「みどり保育園」は、「子だくさんの家の、にぎやかで愉快な子ども部屋」を理想としていました。子どもは自由に遊んでこそ学ぶし育つ、というのが園長の考えでした。
私はこの方針に母親としても賛同していました。だから、自分の子どもにも、保育園に来る子ども達にも基本的に同じスタンスで接したんです。息子だからって変えることは一切しなかったし、実際、息子自身も2歳のときからみどり保育園のお友達と何でも一緒、同じでした。
2歳児だって同世代の子どもと遊びたいのよ。最初はおのおのが隅のほうで好きなことをしている。最初から一緒に遊ぶことはしないけれど、他の子に関心をすごく持っているの。子どもが保育園や幼稚園に行く楽しみは、同じ年頃のお友達がたくさんいて、うちではできないような面白いことができるから。子ども同士で遊ぶのが楽しいのよね。
ただ、大人は目を離しちゃいけない。みどり保育園では子ども達を勝手に遊ばせておくけれども、目は子ども達から片時も離しませんでした。しょっちゅうケンカするから。ケンカの理由のほとんどは誤解。自分の意見を相手に伝えること、しかもきちんと伝えることって難しいのよね。でも、子ども達は気持ちがすれ違ってケンカをすることで、相手の言わんとすることを受け止めるという、大変な勉強をしているんです。
子どもは子ども同士の遊びの中で、社会性や協調性を身に付けて一人前になっていく。だから親はそれをきちんと見ていてやる。親が見ていてくれる安心感が子どもにとっての安全地帯になって、子どものコミュニティーの中で存分にやりたいようにやれるようになるのよね。子ども同士でケンカをして自分達では手に負えないとなれば、お母さんのところに飛んで帰ればいいのです。