ランドセル素材などに使用される人工皮革「クラリーノ」を製造・販売するクラレは毎年、新小学1年生の親と子を対象に、「将来就きたい職業」「将来就かせたい職業」についてアンケート調査を行っています。

 前回の記事「女子のなりたい職業、女医が白衣の天使を抜く」では、新小学1年生のアンケート調査の結果を紹介しました。今回は、2014年入学の新小学1年生の親(男の子の親2000人、女の子の親2000人)と、同年3月に小学校を卒業した子どもの親(男の子の親108人、女の子の親136人)を対象に行ったアンケートの結果を見ていきましょう。

「公務員」「医師」「スポーツ選手」は鉄板の人気

 新小学1年生の男の子の親が、自分の子どもに就かせたい職業の第1位は「公務員」でした。この結果について、調査を行ったクラレは以下のように分析します。「公務員は、安定性の高い職業です。親御さんがお子さんの職業について考える際、安定性を求める傾向が強いようです。また、消防士や保育士のように、資格や技術がないと就けない仕事も人気が高くなる傾向にあります」(IR・広報部主管、長谷川壮さん)

 男の子の親が望む職業の2位は「医師」で、3位は「スポーツ選手」でした。このトップ3にランクインする顔ぶれは、調査を始めて以来変わっていませんが、スポーツ選手は初めて3位までランクダウンしています。

 5位にランクインした「消防士」は、2004年には9位、2010年には7位、2011年には6位と、少しずつ人気が上昇しています。特に今年の伸びは顕著で、過去最高の5.9%を記録しています。

卒業生の親は、現実的で安定した職業を選ぶ傾向に

 この順位は、子どもの成長に伴い、どのように変化していくのでしょうか。

 2014年3月に小学校を卒業した男の子の親にも同じアンケートを行ったところ、1位は人気の「公務員」でした。新1年生の親に人気がある「スポーツ選手」は、卒業生になると圏外まで順位を下げました。クラレの分析によると、「お子さんの成長と共に、より現実的に、より安定した職業を望む傾向が見られます」とのことです。