「年収半分・勤務時間半分。仕事のレベルを落とさず働く」という選択肢を

 事業プランのヒントとなったのが、前職時代にある女性を採用した経験だった。

 大手企業で高年収を得ていた女性が求人に応募してきた。優れたキャリアの持ち主だったが、育児中である上、家庭の事情により、出勤できない曜日や早退しなければならない曜日があるなど、働く上でいくつもの制約があった。その女性は、自分が希望する勤務ペースを承諾してもらえるなら給与面では譲歩する、という意思を示した。

 「こちらとしては、ぜひとも採用したい人材でした。ベンチャー企業なので、彼女のキャリアに見合う『定価』の給与はとても出せない。けれど、彼女の勤務ペースの希望条件を呑むことで、『割安』な給与額で迎えることができたんです。彼女は、勤務時間は短いながらも優れたパフォーマンスを発揮してくれました。この事例のように、従来の枠にはまらないフレキシブルな『人材と仕事のマッチング』が、さまざまな業種や企業でできるはず。それをサービスとして手がけようと考えたのです」

女性の力に企業は気付いている。ニーズは必ず潜んでいる

 追い風も吹いている。政府は経済成長戦略の核に「女性活用」を据え、その呼びかけに応じた企業群が女性活用の推進策を具体化させつつある。単に「育児サポート」などの福利厚生を整えるといったことでなく、「女性だけの営業部隊」を新設するなど、女性の力を戦略的に活用して利益につなげようとする動きも活発だ。

 「労働人口は確実に減っていく。女性の労働力の発掘・活用は、待ったなしの状況にあります。それに、男性と比較しても、女性はとても仕事ができるんですよ。仕事が緻密で丁寧で、責任感が強い。人や社会の役に立ちたいという気持ちも強く、事業や経営ビジョンに共感すれば、会社に忠誠心を持って働く。組織にとって、非常に頼もしい存在になってくれるんです。多くの企業が、そのことに気付き始めています。だから、女性側の事情に応じてさまざまな働き方を受け入れようとする企業は、これからもきっと増えていく。増やしていかなければならないと思うんです」

 そんな松本社長の使命感から、女性がライフイベントに応じて働き方を選択できるよう支援する「LiB」が誕生した。次回は、サービスの内容やシステムの詳細、LiBが「その先に目指すもの」を紹介する。

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サービス開始の5月13日に、東京都内で発表会を開催。ニトリ、ミクシィなどプロジェクトに賛同する6社から人事のキーパーソンが集まった

(ライター/青木典子)