1998年に現社長の藤田晋さんが設立したIT企業、サイバーエージェント(東京都渋谷区)。「内定後に出産した新卒ママ、活躍の秘密は『発信』」で、新卒入社ママ第一号・蒼山桜子さんの事例を紹介したところ、内定期間内に妊娠し、出産後に新卒として入社したというエピソードに注目が集まりました。当時から、取締役人事本部長を務め、「蒼山さんの入社を待つ」という判断を下した曽山哲人さんに話を聞きました。

優秀な人材を妊娠・出産を理由に手放したくない


取締役人事本部長、曽山哲人さん

 サイバーエージェントの社員数は、グループ連結で2862人(2014年3月末時点)を数える。男女比率は、男性68%に対し、女性は32%だ。2013年10月~14年9月の予定によると、女性の育児休暇取得率は100%で育休後の復帰率は96%。育休後の退職理由は、「夫の転勤」や「育児中の身辺の変化」が主で「出産」を挙げる社員はいない。

 育児休暇を取得した男性は過去に1人。しかし、同社の「休んでファイブ」(勤続3年以上で毎年5日間のリフレッシュ休暇が取れる)を利用して、妻の出産時に休暇を取得する男性社員は多い。

 「内定後に出産した新卒ママ、活躍の秘密は『発信』」で紹介した蒼山桜子さんから内定後に妊娠を報告され、どんな思いを抱いたか、曽山さんに聞いた。

 「妊娠という事象については特に驚きませんでした。蒼山さんが新卒ママ社員の第一号になりましたけれど、入社前にパパになる社員だってたくさんいるわけですしね」

 「サイバーエージェントは優秀な人材を採用することに非常に力を尽くしています。せっかく一緒に働きたい仲間が増えたのに、その人材を妊娠や出産を理由に手放すようなことは決してしません。ママになることは喜ぶべきことですし、蒼山さん本人が出産後、『サイバーエージェントで働きたい』と言ってくれたのだから、『待ちます』と言うのは当然の流れです

“激増中”のママ社員に向けた社内制度も充実させている

 復帰後の蒼山さんが配属されたママ事業部など、ママならではの発想・着眼点を生かす部署を設立したり、社内イントラ上の情報交換サイト「サイ・パパ サイ・ママ」で社内のママ・パパの交流を活性化させるという工夫もしている。現在、ママは女性社員の約14%(うち4%が育休中)を占めている。曽山さんは「肌感覚では“激増中”という印象です」と言う。


『サイバーエージェント 社員向け育児ガイドブック』

 それにより、育児支援関連制度も充実させてきた。

 育児に関する相談窓口を開設したり、妊娠後から出産・復帰までの心構え、必要になる準備などをまとめた『育児ガイドブック』を用意するなど、少しでも不安を取り除いてもらうための施策がある。

次ページから読める内容

  • 活躍中のママ・パパ社員の事例を共有することが何より大事
  • 上司と部下に月1回の面談を推奨 評価のズレをゼロに近づける
  • 社員1人につき、月に5000円の「懇親会支援制度」がある
  • 「小耳シート」で社長が一社員の状況を知る
  • 働きやすさを追求し始めたきっかけは、上場直後の「離職率30%」という惨状

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