「育児・仕事の両立支援は、代替人員のいる大企業でなければ実現できない」という見方がある。一方、社員102人のセントワークス株式会社(東京都中央区)は全社を挙げて育児・仕事の両立支援につながる社内改革を実施。前回の「『恥ずかしいマント』着用で残業したら利益急増!?」では残業する際に着けるマントなどの取り組みを取材した。今回は同社の育児支援制度に焦点を当て、社員の体験談を聞く。

男性社員初 50日間の育児休業を取得


男性社員初、50日間の育休を取得した、ITソリューション部の塚越一貴さん

 ITソリューション部の塚越一貴さんは同社で初めて、かつ現時点では唯一、育児休業を取得した男性社員だ。勤務先は、社内一忙しいITソリューション部。

 主力商品である介護保険・介護請求ソフト「Suisui」を導入する顧客を訪問し、使用法などの説明をする仕事を担当している。妻と男児3人の5人家族の父親だ。

 育休を取得したのは2013年夏、三男が生まれたとき。長男(現在5歳)の誕生は転職のタイミングに当たり、次の会社での仕事が始まるまでの3カ月間、成長を見守ることができた。しかし、次男(現在3歳)の誕生時は仕事が忙しく、妻に任せっきりとなった。

 「生後間もない次男の成長を、すぐそばで見ることができなかったことに後悔があったんです。それに、次男が生まれた後はどうしても次男に手がかかり、長男がすねてしまうこともありました。だから、三男の成長を見たいのと同時に、上2人の相手を僕が引き受けることで、妻が安心して三男に時間を掛けられるようにしたいと考えたんです。そこで、生後1カ月頃から約2カ月の育児休業を希望し、実現することができました」(塚越さん)

社内一多忙な部署、前例なし 半年以上前から様子を伺った

 所属するITソリューション部は多忙な部署。しかも、男性社員が育児休業を取得した前例もない。「男性社員の育休制度はあるけれど、本当に許されるのか?」――妻の妊娠が分かった直後から、塚越さんは少しずつ会社に探りを入れた。

次ページから読める内容

  • 出産半年前、部署メンバーと社内のキーパーソンにメールで直訴
  • 「いざとなったら自分が現場に出る」と決めた上司
  • 育休中、定めた目標をすべて達成 父親としての居場所が自然とできた
  • 復帰後、1.5倍の業務量も何のその 「あの時間があったからこそ、頑張れる」
  • 「1年間休んでもいい。戻ってきて経験を生かしてくれるなら」

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