オバタリアン教師とは、「限りなくクロに近いグレーな指導法を用いて子どもたちを支配する年配の女性教師」のこと。明らかな問題教師とは言えない分、対処が難しい存在です。オバタリアン教師はなぜつくられるのか。どうしたらオバタリアン教師からわが子を守ることができるのか。『オバタリアン教師から息子を守れ』の著者、おおたとしまさ氏が解説します。

 哲学者ニーチェは「怪物と戦う者は、自分も怪物にならないよう注意せよ。深淵を覗くとき、深淵もこちらを覗いている」という言葉を残しています。

 万が一オバタリアン教師に当たってしまった場合、その魔物に対抗しようとする者自身が、いつしかモンスターペアレントという魔物に取り憑かれてしまうということがあるのです。「自分はモンスターペアレントになんてなるわけがない」と高をくくっている人ほど要注意です。

 オバタリアン教師とモンスターペアレントには共通点があります。いずれも自分が正義であると考え、相手の立場が見えていないということです。お互いに自分の権利を主張するばかりで、相手の権利を認めるということを忘れがちになっているということです。

(写真はイメージで、記事の内容とは関係ありません)
(写真はイメージで、記事の内容とは関係ありません)

 「自己チュー」と片付けられてしまいそうなこの症状、実は自尊感情の低さからもたらされているとも考えられます。

 自分が「満たされている」と感じているときなら誰でも、視野が広くなり、心も寛容になり、他人に対して優しく接することができるようになります。でも逆に自分を守ることに精一杯になっているときは、まわりの状況がまるで見えなくなりますし、他人への気配りもうまくできなくなります。

 オバタリアン教師もモンスターペアレントも実は鏡の関係にあり、両者ともそんな心理状態にいる人たちなのではないかと私はとらえています。

 また、一度対立構造になってしまったら最後、相互理解という目的を忘れて、相手が降参していても、こてんぱんに叩きのめすまでやってしまうところも両者に共通しています。自分でも制御がきかなくなるほどの攻撃性の発露は、普段は優しいのにひとたび怒ると手に負えなくなるDV(ドメスティック・バイオレンス)夫にも通じます。抑圧されていた自我が暴走しているように見えます。

学校を舞台に「インナーチャイルド」が大暴れ

 これらのことを合わせて考えると、ある一つの仮説が成り立ちます。どちらもアダルト・チルドレンの一種なのではないかということです。

 「アダルト・チルドレン」という言葉は、もともとは「アダルト・チルドレン・オブ・アルコホリックス」でした。「アルコール中毒者の子どもとして育った大人」という意味です。先天的な障害とかそういう類のものではありません。アメリカのクリントン元大統領も、自身がアダルト・チルドレンであることをカミングアウトしています。

次ページから読める内容

  • 日本の学校はもともと「いい子」を養成する工場
  • 時を越えて再生産され続けるオバタリアン教師とモンスターペアレンツ

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