会社を辞めて、「これから何を仕事にしていこう」と考えたとき、「そうだ、私、できるじゃん!」って、思ったんです。雇用機会均等法の施行などにも触発されて、私は短大卒業後に一般企業に就職しましたが、実は保育科を卒業しており、保育士や幼稚園教諭の免許を保持していました。

 そこで、当時住んでいた賃貸マンションの6畳一間を空けて、慣れないチラシ作りに取り掛かり、お迎え付きの夜間保育業務を始めました。近所に1000枚くらいのチラシをポスティングするなどの努力はもちろんしましたが、やはりニーズがあったのでしょう。保育を希望する方はすぐに定員に達しました。

 よりよい環境を求めて、一年後には今の一軒家に移りました。子どもを預かるというと、なかなか貸してくれるところも見つけにくいのです。でも、とにかく自分が必要としていることを周りにどんどん発信するしかありません。それによって、なんとか一軒家を借りることができ、今に至ります。

保育園児・小学生が兄弟姉妹のように過ごしてパパ・ママを待つ

 マンション時代も、下の階や隣の家々の了解は得ていたので、何の問題もありませんでしたが、一軒家の、のびのびとした雰囲気は、やはりとても家庭的です。最初の大家さんは亡くなって、今はお子さん達の代になっていますが、今の一軒家に移転した後の数年は、90歳近いおじいさんの大家さんが自分の畑で作った野菜を持ってきてくれるなど、本当にアットホームな環境を実現することができました。

 現在、あっとほーむの受け入れ対象は原則3~12歳、年間登録は毎年約80人。夜間保育は、基本的には必要な日や曜日にのみ利用していただくものです。学童は月極利用が原則で、定員約20人。学童保育の基本時間は18時30分までですが、常時、その時間で間に合うようなお宅は、あっとほーむ以外の学童の利用をオススメしています。日によって学童から延長しての夜間保育が必要となるような、「人の手が絶対的に必要」であるお宅を優先的に受け入れています。

夕食の様子。この日は女の子だけ。まるで「女子会」のように盛り上がった
夕食の様子。この日は女の子だけ。まるで「女子会」のように盛り上がった

 保育園児と小学生を合わせた夜間保育の利用人数は平均8人で、マックスで15人。大きい子も小さい子も一緒になって、みんなで手作りのご飯を食べて、お風呂に入って、お迎えを待ちます。暗くて寂しいイメージはみじんもなく、みんな仲良く元気いっぱい遊んだり、時には喧嘩したり、リラックスして過ごしています。子どもたちを見ていて、兄弟姉妹のような感覚を持てる集団の人数は、多くて15人くらいまでだなと、肌で感じました。あまり多いと個々人同士の交流もうまくできないようですし、単に「同じ場所にいる」という感覚になってしまうみたいです。そうならない調度良い人数までを受け入れるようにしています。

ダンボールで工作中。ロボットだそうです
ダンボールで工作中。ロボットだそうです

 21時以降の延長も相談可能です。学童保育・夜間保育ともにお迎えが難しい日には、ご自宅への送りも行っています。普段からあっとほーむをご利用のお子さんに限り、宿泊保育や、病時の訪問保育もお受けします。希望者は月3回、音楽教室(ピアノなど)の個人レッスンも受けられます。学童保育・夜間保育時間中の塾や習い事への送迎も実施しています。