子どもにとって、平日は家よりも過ごす時間が長く、“第二の家”である保育園。その間、子どもを見てくれているのは保育士の先生。でも、つい忙しくて、送迎の際に簡単に挨拶するだけの関係に終わらせていないだろうか? 先生達は、働く親にとって子育ての重要なパートナー。子どもの成長を一緒に見守ってくれる存在だからこそ、多少耳が痛くても、建設的な子育てのアドバイスをぜひ聞きたい。前回記事、「現役保育士が明かす『こんな親、実は困る!』」「親が保育士に『疲れた』と本音を言ってもいい」に引き続き、経験豊富な3人の保育士に集まっていただき、「保育士の本音」を語ってもらった。

座談会・参加者プロフィール
加藤 哲さん(仮名):男性、37歳、私立認可保育園勤務(1歳児クラス担当)、保育士歴17年、3児の父
佐伯 優子さん(仮名):女性、35歳、私立認可保育園勤務(3~5歳児クラス担当)、保育士歴15年
広田 千春さん(仮名):女性、29歳、私立認可保育園勤務(1歳児クラス担当)、保育士歴6年

(文中敬称略)

保育士はどうやって連絡帳を書いている?

DUAL編集部 保育士の先生と親が交換する連絡帳について質問です。保育士の資格を取る時に、先生方は書き方を学んだりするのでしょうか?

加藤 資格の勉強をしている学校で、連絡帳の書き方を学ぶことはありません。就職してから実地で学ぶことが多く、指導してくれる目上の先生に聞きながらOJTで書き方を身につけていきます。

広田 うちの園では、定期的に様々な講習があって、その中に講師を招いた「連絡帳の書き方」講習がありました。

―― 1人の保育士さんが、1日何人分くらいの連絡帳を書くものなのですか?

加藤 だいたい1人4冊程度でしょうか。子ども達がお昼寝している間に保護者からのメッセージを読んで、ちゃんとお返事を書こうとすると4冊だけでも15分どころじゃ終わりません。

広田 子どもが寝ている間に打ち合わせをする日もあるので、そういう日は申し訳ないですが「省略です」のはんこを押してお返しするときもあります。打ち合わせとは、会社でいう会議です。週1回や月1回などの定例会に加えて、緊急の会議が開かれることもあります。

加藤 うちの園はほとんど毎日会議です。休憩は15分だけ。昼ごはんは、子どもの昼食時間に交代で取っているので心配ありませんが、お昼寝の時間帯も連絡帳記入や業務日誌を書いたり、ちょっとの隙にトイレに行ったり、会議に出たりしているとあっという間に時間切れに……。休む暇はほとんどないというのが実情です。