家では、子どもを受け止めて甘やかしてほしい。特に男の子は要注意

―― それでもやはり子どもを怒るときなど言い過ぎてしまいますよね。つい必要以上に怒ってしまったときは、どうしたらいいんでしょう?

広田 親が怒り過ぎたことが原因で、子どもにヘソを曲げられてしまうことってありますよね。そんなときは「あのときはママが大声を出したから、嫌になっちゃったんだよね」「パパが●●ちゃんの話を聞かなかったから面白くなくなっちゃったよね」と、子どもの気持ちを受け止めてあげればいいんです。

加藤 次の日の朝でもいいんです。親も「ごめんね、昨日は怒り過ぎちゃって」って話せるといいですよね。もし子どもがぶったりルールを破るようなことをしていたら、気持ちを聞いた後で「でもね、ぶっちゃいけなかったよね。相手に謝ってみる?」と言ってみてもいいですよね。
 男の子は特に4~5歳でプライドが急激に高くなって、なかなか謝れなくなる時期があるんです。女の子のほうがその辺は素直。男の子は、自信がないことは人前ではトライしないで、隠れてこっそり練習したりしますよね。女の子は初めてのことでもどんどん挑戦する。保育園時代から、女の子のほうが強いんですよ(笑)。だから、男の子の場合は、プライドを傷つけずに、話を聞いてあげることが大事です。

―― 親がべたべたと甘やかしてしまうのもいいのでしょうか?

一同 いいんですよ~! みんな家では甘えたいんですよ!

佐伯 4~5歳児クラスになってもまだまだ本当は甘えたい年ごろ。でも、保育園じゃ甘えられなくなってくるんですよね。お友達に甘えているところを見られるのも恥ずかしい(笑)。

広田 お父さん、お母さんが仕事や家のことで大変な分、私達、保育士は子ども達が保育園でいかに安心して楽しく過ごせるようにできるかを重視しています。そのためには、保護者との信頼関係や、何でも言い合える関係が大事なんですよね。家庭も保育園も一つの子育てコミュニティーとして、一緒に成長を見て喜んでいきたいと思っています。

加藤 子ども達も親の皆さんも、保育園に通うのは、長くてもたった6年間。でもその6年間は、人間の成長においてとても大事です。どうせ関わるんだったらお互い心地よく関わることができればいいですよね。

(画像と本文は関係ありません)
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(ライター/岩辺みどり、撮影/鈴木愛子)