子どもにとって、平日は家よりも過ごす時間が長く、“第二の家”である保育園。その間、子どもを見てくれているのは保育士の先生。でも、つい忙しくて、送迎の際に簡単に挨拶するだけの関係に終わらせていないだろうか? 先生達は、働く親にとって子育ての重要なパートナー。子どもの成長を一緒に見守ってくれる存在だからこそ、多少耳が痛くても、建設的な子育てのアドバイスをぜひ聞きたい。前回記事、「現役保育士が明かす『こんな親、実は困る!』」に引き続き、経験豊富な3人の保育士に集まっていただき、「保育士の本音」を語ってもらった。

座談会・参加者プロフィール
加藤 哲さん(仮名):男性、37歳、私立認可保育園勤務(1歳児クラス担当)、保育士歴17年、3児の父
佐伯 優子さん(仮名):女性、35歳、私立認可保育園勤務(3~5歳児クラス担当)、保育士歴15年
広田 千春さん(仮名):女性、29歳、私立認可保育園勤務(1歳児クラス担当)、保育士歴6年

(文中敬称略)

親は「愛すること」がメーン

DUAL編集部 保育士の皆さんはいつも穏やかに子ども達に接してくれていますが、親としてはどうしても感情的に怒ってしまい、反省ばかりです。やっぱり感情的に怒るのは良くないですよね?

加藤 仕方のないことですよね。僕にも子どもがいますけど、保育士として保育園にいるときと同じようには振る舞えませんよ(笑)。

広田 ある先輩が、出産したばかりの同僚に言っていた言葉が印象的でした。「家では保育士になるな。親だからな。愛することがメーンだから」と。

加藤 ときには親が保育士のように対応するのはいいんですよ。でも、保育士は親の代わりになれないんです。

広田 私達は、やはり仕事として子どもと関わっているので、「ああしたら、次はこうしてみよう」と計画を立てたり、今後の行動を考えながら行動しています。でも、親はその場の感情で動いてしまうこともある。それでいいんですよ。

別々の保育園に勤務する3人の保育士が集合。「保育士と保護者がよりよいパートナーになれるように」という目的で本音を語った
別々の保育園に勤務する3人の保育士が集合。「保育士と保護者がよりよいパートナーになれるように」という目的で本音を語った