8.通い始めてからも子どもに無理がないか配慮を

 曜日ごとに違う場所で違うことに取り組むことを「楽しい」と感じる子もいれば、「慣れなくて疲れる」と感じる子もいる。公設学童・民間学童・習い事・塾など、放課後の居場所として複数の場所を掛け持ちする場合には、通い始めてからも無理がないか、子どもの様子に気を配るようにしたい。特に小学1年生の前半は学校生活に慣れるだけで精一杯という場合も多いので、あれもこれもと予定を詰め込むよりは、子どもがゆったりとした気分で休める時間・場所をつくってあげることが大切だ。

「場」を探すことは、新たなサポーターとの出会いでもある

 筆者である私も、保育園時代に「小1の壁」の話を聞いたときは、かなり身構えてしまった。だが、放課後の預け先を探すなかで、現在お世話になっている学童のスタッフや新たな習い事の先生と出会い、その助けを得ながら今は日々をなんとか乗り切っている。子どもの放課後の居場所を探すことは、単なる「場」を探すことではなく、小学校に進んでからの慌ただしい毎日の中で、子どもとその親である自分を支えてくれる新たなサポーターを見つけることでもあるというのが実感だ。

 学童の状況はエリアごとに大きく違い、家庭ごとにニーズも異なるため、学童選びに「これが正解」という唯一の解は存在しない。ただ、このシリーズで取り上げたような、塾が運営する生活・学習両面でのサポートを行う学童も含めて様々な選択肢を活用すれば、目の前の「壁」は「扉」に変わり、その向こうには新しい道も見えてくるのではないだろうか。

(ライター 安永美穂)