「第1子は手がかかる」―――パパママ面談で、最も多い相談です。

 「ぐずぐずして自分でやろうとしない」「話をちゃんと聞かない」など、「第2子以降の子どもに比べると、長男、長女はとてもマイペースだ」というのがパパ、ママ達の悩みです。皆さん、第2子のお子さんについての面談をしていても、気が付けば第1子のお子さんの話になっている、ということがよくあります。

 どうしてなのか、お教えします。

 これは、パパとママ、家族のみんなが手をかけて育てたからです。

1人目に手がかかるのは、丁寧に育てた結果です

 待望の第1子が生まれ、親自身も慣れない中、一心に、丁寧に育てた結果です。家族に子どもがひとりしかいない中で十二分に手をかけたので、手のかかる子になっているとも言えますね。これは悪いことではなく、第1子はお世話してくれる人がたくさんいたわけですから、ある程度仕方がない部分もあるということ。

 親自身も、上のお子さんは十二分に手をかけたほうが結果を出すのではないかと、親が勝手に思っている節もあります。そうすることで、子どもにも手をかけてもらいたいという無意識の欲求が習慣化されているだけなのです。

 その代わり、第2子以降のお子さんには、生まれたときから上の兄弟がいるので、十二分に、自分にだけ手をかけてもらうことは、生まれたときから難しいわけです。ですから、「あまり手をかけていないのに期待に応えてくれる」というふうに、ママ達には映ります。ねんねがひとりでできる、支度が自分でできる、靴も履ける…といった具合に。

 でもこれは、お兄ちゃん、お姉ちゃんを見ているから、覚えて自分でやれるようになったのですよね。「自分でやったら褒められるから、どんどん自分でやるようになる」と、自発的に行動するようになっていった結果です。

「2人目は機嫌が良い」の裏に、弟・妹の切ない思い

 また、往々にして、第2子のお子さんは機嫌が良いものです。「弟(妹)は、いつも機嫌が良いんです」と保護者はうれしそうに話してくださいますが、第2子にとっては、ニコニコしないと見てもらえないから、アピールすることを覚えているだけ、とも言えるんです。何だか、第2子のお子さんの必死にアピールする姿がいとおしく思えてきますね。

1人目は、初めての子育ての親の戸惑いに付き合ってくれた同士

 第1子が、ぐずぐずしている、マイペースだというのは、第1子のお子さんの性格ではない場合が多いことがお分かり頂けたと思います。上のお子さんには、「自分でやるのよ」と教えながら、一つ一つ、伝えていきましょう。

 第1子のお子さんは、皆さんが、新米のパパ、ママだったころ、初めての子育てに戸惑っている二人の不安に付き合ってくれた“同士”です。「ありがとう」と思ってあげてほしいと、いつも面談でもお伝えしています。手をかけた分、手をかけてあげた子の良さがあります。第1子は優しい子が多く、親のことを気にかけているのは、上のお子さんであることが多いものです。