引っ越しの当日、子ども達を預ける先に困っていたら、気軽にママ友が預かってくれた。逆に、近くなったことでこちらが預かりやすくもなる。

 そして、具体的な支援より、心理的な支えになっている面が多い。

 「明日の遠足って何がいるの?」「あの行事、申し込んだ?」

 気軽に質問できる相手がいるって、有り難い。姉や兄が先に進学している家庭からは、学校の様子を聞くこともできる。不安解消に、かなり役だった。

学童保育は定員オーバー!

 しかし、どうしても解消できない悩みがある。引っ越したことにより、学童保育に入れなかったのだ。自治体には期日内に申し込み、転居に伴って書類も移動している。同じ条件で選考かと思っていたら、「締め切り後に申し込んだ家庭」という扱いになり、入れなかった。就学前の引っ越しは難しい。

 現在、6人待ち。

 1年生が5クラスもいて、申し込みが増えたそうだ。空きが出るまで、どうやって乗り切ろう。民間学童を見つけたが、スポット利用の数時間で6千円以上。頭が痛い。自分が住む自治体が掲げる「子育てするなら吹田」というキャッチコピーに、「どこがやねん」とツッコみたくなる。

 大阪市内の小学校は、校内に「いきいき活動」と呼ばれる学童があり、6年生までいられる。しかし、吹田市では小学校3年生までしか入れない。その後は、塾通いや習い事を駆使するか、1人で留守番する形になる。だから4年生以降の覚悟はあったものの、まさか入れないとは。

 今は担当者の「学童をすぐに出る人もいますしね~」という言葉に希望をつなぎながら、夫と次の手を考えなければならない。時短をとれるような職場でもなく、夫も介護のパートで抜けられない場面もある。

 男女問わず、子育てしながらキャリアをつなぐことは、まだまだ、多くの人にとって困難だ。

「卒業生を送る会」での「集合ゲーム」の様子。「小さな学校・大きな家族」らしく、全員で盛り上がった。放課後の学童でも、1年から6年まで仲良く運動場で飛び跳ねている
「卒業生を送る会」での「集合ゲーム」の様子。「小さな学校・大きな家族」らしく、全員で盛り上がった。放課後の学童でも、1年から6年まで仲良く運動場で飛び跳ねている

「時間の価値」を上げるには?

 1年前は、研修が始まっていたとは言え、私は自営業で仕事時間の調整がしやすかった。打ち合わせに出る日と、自宅で製作や執筆をする日と、講演で泊まりがけの出張をする日。講演以外は、融通が利いた。それだけに、仕事にメリハリをつけるのが難しく、深夜仕事が常態になっていた。今は、7時前に出勤し、20時前後に帰る。そのリズムが月曜から金曜まで。土日に行事が入るとしんどくなるが、休みに集中して家事をやるようになった。

 休みが惜しい。予定を早めに決めて、充実させたい。以前より、夫を追い立てることが増えた。掃除をこまめにするようになった。家に帰って寝るまでの数時間が、乱雑な部屋だと心がすさむ。引っ越しを機に、片付けやすい部屋を作ろうと大量に物を捨てた。リラックスできる部屋は、家で長時間過ごす人のため以上に、忙しい人のリセットタイムのためにこそ、必要な気がする。