初めて「女医」が「白衣の天使」を逆転!

 次に、新1年生の女の子の結果を見ていきましょう。1位は、調査開始以来16年連続で「パン・ケーキ屋・お菓子屋」です。2位の「芸能人・タレント・歌手」は、過去最高の13.1%となり、そのうち6割が「アイドル」と答えています。「AKB48や、女の子に人気のアーケードゲーム&アニメ『アイカツ!』などの登場で、アイドルの存在が以前より身近に感じられるようになったため、アイドルに憧れる気持ちはさらに高まってきているようです」(クラレ)。保育士は、2年前は4位、3~7年前は6位と、もともと女の子に人気の高い職業ですが、昨年から2年連続でトップ3入りを果たしています。

 特筆すべきは、「女医」が「看護師」を逆転したということ。どちらも、常にトップ10入りする人気職業ですが、「医師」が「看護師」を抜いたのは今回初めての現象です。なぜこんな結果になったのでしょうか。クラレの長谷川さんは「バラエティやニュースに、女医さんがよく出てくるようになったから」と分析します。「新1年生の女の子から見た女医さんは、『お金持ちで、テレビに出ているタレントのような人』に見えるのでは」

 「花屋」は、2011年まで13年連続で2位を守る人気職業でしたが、今年は4位(8%)まで衰退。15年前の比率(20.7%)と比べると、半減しています。

小学校を卒業した女子は、身近な存在が憧れに

 2014年3月に小学校を卒業した女の子に同じアンケートを行ったところ、1位は「教員」、2位は「保育士」という結果になりました。これらはいずれも、仕事をしている姿を近くで見ている職業です。

 新1年生の女の子の回答では、「女医」が「看護婦」を上回りましたが、6年生ではわずかながら「看護師」の人気が「女医」を上回っています。

 「今回の結果を見ると、教員や保育士のように働く姿が目に触れやすい職業や、スポーツ選手や女医、アニメキャラクターなどテレビで目にする機会が多い職業に対して、子どもたちが高い関心を示す傾向が伺われました」とクラレは分析します。たとえばアニメキャラクターのランキングは、3年前は10位でしたが、2年前から3~4位を推移しています。「このことからも、特にここ数年はテレビの影響が大きいと考えられます」

 次回は、新1年生および小学校を卒業した子どもの親に対して行ったアンケート結果を発表します。