しかし、かけなくても「済む」費用はとにかく削るというスタンスになってしまうと、なんというか、私学に通うことのパフォーマンスの一部が滑り落ちてしまうような気がします。

 別にランチに行っても行かなくてもかまわないのですが、そういうことを常に「お金」で決めなければいけないというのは、ちょっと違った私学ライフになってしまうと思うんです。

 入学金や授業料が免除される「特待生」を狙うなども同様です。ある学校の「特待」をとれるお子さんだったら、だいたいはそれより難しい学校でも普通には受かるということですから、「特待」でなきゃと考えることは、著しく選択範囲を狭め、ひいては「パフォーマンス」のほうを大きく減じることにもなりかねません。

 そういうことを考えると、私学を選ぶなら、やっぱり校納金のほかにかなり余裕を持たせて考えておくのが吉でしょう。ざっくりいって、年間120万円くらいでしょうか。中学校3年間で360万円…。ということは、受験(3年間)と中学合わせて290万円+360万円=650万円。小4から中3までの間は、いつでも年間100万円プラスアルファは子どもの教育関連費にかかると見ておけばよいでしょうか。

今の時代に中学受験するならダブルインカムの余裕と安定性を

 なので。共働きは、とにかくやめないで!  お父さんの年収が十分あるように見えたとしても、今の時代、自営であれ会社員であれ、それがそのままの調子でずっと続くとは限らないし、突然の家庭経済危機で退学しなければいけないようでは、それこそパフォーマンスのほうがぽっきり折れてしまいますから。ダブルインカムの余裕と安定性は、重要な資源です。