以下に具体行動例を書いてみます。1つでも2つでも実践してみてください。ベッカムのトロフィーには勝てないかもしれませんが、子どもに「英語って楽しそう!」と思わせることができればこっちのものです。もちろん、この英語教育法も前回記事の「親が褒め続ければ、将来英語ができる大人になる」と同様、親の英語力は一切問いません。問われるのは、英語(文化)に対するポジティブな態度のみ!

保育園・小学校の子どものクラスの保護者で外国籍の人がいるなら、自分から積極的にコミュニケーションを取る

 僕は中国人のお母さん方と積極的にコミュニケーションとっているのですが(単純に文化に興味があるので)、そんな姿を常日ごろ見ている子どもも自然と「Chinaという国」に興味を持ち始め、”How do you say Hello in Chinese?(中国語で「ハロー」って何て言うの?)と聞いてきたり、位置を地図で調べたりしています。文化から入る英語学習は王道中の王道です。

TVで海外の風景が映ったり、会話に外国の名前が出てきたら、地図を調べて子どもと一緒に場所を確認する

 僕の母は、TVで海外の風景が映ると、ことあるごとに「あー、こんな所に住めたええやろね〜。それに比べて…」(…には地元への辛口評価が入るので割愛します(笑))という趣旨の発言を僕の前でしていました。

 これにより「いつか絶対地元を離れて、広い世界に出てみたい」という気持ちが心の中に芽生えました。実際、英語を本格的に勉強しようと決意したのは、19歳の時初めて1人で短期間海外に出た後でした。

海外で活躍している日本人を、子どもの前で褒める

 僕の母は、海外で活躍している日本人の事をぼくの前でやたら褒める傾向がありました。例えば、ハリウッド映画業界で、特殊メイク・アーティストとして成功した、スクリーミング・マッド・ジョージさん。彼も大阪出身ということもあり、ぼくの母が熱心に褒めていた事が今でも印象に残っています。それにより世界を舞台に活躍するのはカッコいいことという意識が刷り込まれました。

 僕の子ども時代に比べて、今は世界で活躍する日本人の数も多いはずだし、それを知るきっかけになるメディアも発達しているので、これは実践しやすいのではないでしょうか。

アップル、バッグなどのいわゆる“カタカナ語”を、わざと英語風の発音で子どもの前で発声してみせる

 これも母が僕の前でよくしていた行動です。当時はうっとうしかったですが(笑)、今から思えば、日本語とは違う発音を偏見なく受け入れるマインドが身に付いたと思っています。英語をある程度身に着けるには、文化であれ何であれ、異質のモノを“受け入れる”マインドが不可欠なのです。

「子どもは、親の言う通りには育たないが、親の行動の通りに育つ」という趣旨の言葉があります。英語を習わせるのもそれと同じく、親がとにかく英語とそれにまつわる文化に対して、オープンマインドでいる、積極的に関わるということが非常に大切なのです。

ちなみに小学生時代の僕と母、弟との写真です
ちなみに小学生時代の僕と母、弟との写真です