家の電話やママからの電話の着信音を、それとわかるように変えておけば、会議中に子どもからの電話をとってしまうこともなくなりますし、「ほら、○○ちゃんが電話したときだけこういう音が鳴るようになっているから、パパ、すぐわかるんだ」と説明すると、子どもも喜んでくれます。

 実際、あんまり頻繁に電話をされると仕事に支障も出るでしょう。しかしブームは最初の一時期のみ。何度か電話をして、いつでもパパと話せるのだという安心感が定着すると、逆にあまり電話してこなくなるものです。

 以上は、そうはいってもほぼ毎日家に帰れるパパのための作戦でした。次に、出張続きや単身赴任でほとんど家にいることのできないパパのための作戦を紹介しましょう。

出張先からビデオチャット

 ホテルにチェックインしたら、早速PCをインターネットに接続。スカイプなどのサービスを利用して、自宅のリビングのPCにアクセスします。ラップトップPCのディスプレイが、ホテルの部屋と自宅のリビングをつなぐ小窓のような役割を果たします

「おーい、ホテルに着いたよ!」

「うわ、ホテル、いいな!」

なんて会話をしたら、あとは繋ぎっぱなしにしておきます。缶ビールでもプシュッと開けて、お弁当を開いて、家族と一緒に「いただきまーす!」ということもできます。

 ディスプレイの向こうで、テレビを見ながらゲラゲラ笑う子どもの後ろ姿を見ているだけで、我が家に返ってきたような感じがします。単身赴任のご家庭ではよくやっているかもしれませんね。「あ、パパの部屋、散らかしっぱなし!」なんて怒られることもあるかもしれないですけどね。

出張の日数分のお宝を仕込んでおく

 海外出張など、長期の出張に出るときにおすすめの作戦です。出張に出る前に、おうちの中の各所にこっそり「お宝」を仕込んでおきます。例えばテレビの裏だとか、ベッドの下だとか、本棚の隙間とか。「お宝」は、簡単なものでかまいません。キャンディーやちょっとしたおもちゃ、「ママの言うことを聞くんだよ!」なんてことを書いたメッセージカードでもいいでしょう

 そして出張先からおうちに電話。映画「007」の指令よろしく、「家の中にお宝がある。ヒントは○○○○。制限時間は3分間。3分経つとこの電話は自動的に切れる」などと言います。子どもはヒントを頼りにお宝を探します。お宝を見つけると「やったー!パパありがとう!」ということになります。これを毎日やると、子どもは毎日パパからの指令電話を楽しみにしてくれます。パパがいなくて寂しい日々が、毎日お宝探しができる楽しい日々に変わります。勘のいい子どもだと、初日にすべてのお宝を掘り当ててしまうこともありますけど。ついでにママへのプレゼントを仕込んでおくというサプライズもおすすめです。

 忙しくて時間がないと、時間が足りないことにばかり意識が向いてしまいます。しかしないものを嘆いても仕方ありません。必要なのは、そういう状況を変えてしまう創意工夫の精神です。パパの創意工夫の精神が豊かなら、子どもにもそれが伝染するはずです。「あれがない、これが足りない」と嘆くのではなく、与えられた条件の中でベストを尽くすことができるたくましい子に育つでしょう。