玄関の脇にシュークロを作ればタタキが片付く

 目を玄関に転じてみよう。どんな家にも玄関には下駄箱がついているが、なぜかここも片付かない場所の常連になっている。靴だけならまだしも、ベビーカーや子どものおもちゃが散乱し、ブーツやカサもはみ出してくる。そこで登場するのが収納3姉妹のシューズクローク「シュークロ」だ。

ベビーカーも置けるスペースを設置したシュークロの例
ベビーカーも置けるスペースを設置したシュークロの例

「玄関の脇にウォークインできる収納スペースがあれば、そこにベビーカーやおもちゃを置けるので、普段から玄関のタタキをきれいに片付けておくことができます。理想的なのは、シュークロから直接家に上がれる間取りにすること。さらに簡単な手洗いやコート掛けがあれば、子どもが汚れた手のまま家に上がったり、花粉の付いた上着を家の中に持ち込んだりすることを防げます」

 ただし、ここでも葛藤がある。シュークロを設けようと思うと玄関のタタキにしわ寄せがくるケースが多い。タタキの広さを家のステータスとする考え方も根強いため、狭くするのが難しい場合も少なくないのだ。

「そんなときは、廊下のスペースを減らしてシュークロを作ることもあります。通るためだけの廊下に場所を取られるのはもったいない話です。住宅の省エネ性能が低くて部屋を小さく仕切っていた時代ならともかく、今は住宅の断熱性能が向上し、冷暖房の効率が高まっています。廊下を少なくしてオープンな空間をつくり、シュークロの場所を確保することも難しくないでしょう」

男女別々に収納スペースを設けるのがシンクロ流

 収納3姉妹の中でもシンクロは、以前から「ウオークインクローゼット」として多くの住宅に普及していた。人が中に入れる寝室の収納という意味では同じなのだが、シンクロにはこれまでにない新しい視点も盛り込まれているという。

「既婚女性にアンケートを取ったところ、衣類の収納を夫とは別々にしたいという意見が圧倒的に多かったのです。そこでシンクロでは、男女それぞれの収納を設けることを提案しています。小さくても2つに振り分けることで自分だけの場所の確保にもつながります」

 いわば「ママクロ」「パパクロ」の共存というわけだが、この間取り、40代以上の女性には特に支持されるそうだ。パパにとっても気兼ねなく服やモノをしまえるスペースがあるのはうれしいかもしれない。

「女性で服が最も多いのは50代です。早め早めに思い切って処分することも大切です。日ごろから収納スペースに合わせて、持つモノの量を調整できるようにするのがモノを大切にし、すっきり暮らすポイントになります」

納得工房内で見られるシンクロ。全身鏡を中心に左右に収納スペースが分かれている。鏡の扉の中は浅棚収納
納得工房内で見られるシンクロ。全身鏡を中心に左右に収納スペースが分かれている。鏡の扉の中は浅棚収納

布団を収納できるスペースがあるシンクロなど様々なタイプがある
布団を収納できるスペースがあるシンクロなど様々なタイプがある