学習塾が鉄道会社と提携して学童保育を展開するメリットについて、高宮氏は「駅に近い好立地に施設を展開できる鉄道会社ならではの強みと、私たちの学習指導ノウハウをうまく組み合わせることができる。業務提携により、電車基地見学や貸し菜園での野菜収穫体験など、小田急グループの事業を子どもたちの体験学習の場として活用できるようになり、学びのフィールドがさらに広がった」と話している。

各施設指定の小学校までのお迎えサービスが好評

  サービス内容や料金などは「ピグマキッズ」と「小田急こどもみらいクラブ」それぞれで異なるが、ここでは「小田急こどもみらいクラブ」について詳しく見ていきたい。

 1日の流れとしては、各施設が指定する小学校にスタッフが専用車で迎えに行き(指定小学校以外の利用者は各自で直接入室)、入室後には季節のフルーツやお菓子が出されるおやつタイム。16時頃からは扉で仕切られた教室に移動して宿題に取りかかり、レギュラー会員はさらに1時間程度「ピグマキッズくらぶ」の教材に取り組む。学習終了後はフリータイムとなり、カードゲームなどで遊びながら、保護者のお迎えを待つ。

 利用形態は、毎週決まった曜日に利用できるレギュラー会員(13時~19時)と、時間枠単位で利用するユニット会員がある。レギュラー会員は週1日利用で月額1万8140円、週3日で4万4810円、週5日で6万2950円(8月料金は別設定あり)。ユニット会員は13時から19時の午後ユニットが5180円、15時から19時の夕方ユニットが3450円。入会金は別途必要で、昼食・夕食(1食あたり640円)、延長預かり(30分ごとに640円)などはオプション料金がかかる。

 学習指導と並んで利用者に好評なのが、指定小学校までのお迎えサービス。レギュラー会員であれば追加料金なしで利用できる。「小学校、公設学童保育所、行政と連携を取り、それぞれの小学校の時間割に合わせてお迎えに行ける体制を取っている。お迎えがあるので、低学年でも安心して利用できるという声は多い」(高橋氏)。入退室の際はICカードをタッチすれば保護者にメールが届き、離れていても子どもの行動を確認できる。

週3日程度、19時までの利用が多い

 また、小田急こどもみらいクラブの実際の利用者の傾向としては、以下のような点が挙げられるという。

ピグマキッズくらぶの教材
ピグマキッズくらぶの教材

◆1年生~4年生の利用が中心

 6年生まで受け入れ可能だが、「ピグマキッズくらぶ」での学習指導が受けられるのは4年生まで。高学年になると自分で時間管理をして留守番をしたり、塾や習い事に通ったりできるようになるため、学童保育を利用するケースは少ないようだ。

◆レギュラー会員は週3日程度の利用者が多い

 週5日フルで活用している人は少なく、公設学童や塾、習い事と併用し、週3日程度の利用が多い。レギュラー会員の場合、回数に限度はあるが利用日の振替も可能で、親の残業の予定に合わせて預ける曜日を変えるケースもある。