忙しくても料理をがんばりたいワーキングマザーの頼れる存在、レシピサイトの「クックパッド」の創業メンバーで、現在はフードエディターとして活躍する小竹貴子さん。「料理の楽しさ」を一人でも多くの人に伝えるために走り続けている。2児の母でもある小竹さんに、キャリアと育児を思い切り楽しむための日々の工夫、そして、今に至るまでの転機について語ってもらった。

 「仕事もバリバリやって、料理もして、子育てもして…。毎日忙しいはずなのに、小竹さんっていつも楽しそうですね。どうしてですか?」

 私がよく笑っているからか、時々そんなふうに聞かれることがあるのですが、いえいえ、私は決してスーパーウーマンではありません。日々慌ただしく、ワーーッとテンパりながら共働き生活を回しています。子どもを保育園に預けてから、ハッと我に返って「あぁ。今日も娘の前で余裕なく過ごしてしまった…」と反省する日々です。

楽しく仕事ができるようになった「ある習慣」

 もともと不器用なタイプですから、仕事も家事も育児もすべてパーフェクトにこなすなんて無理で、結婚8年目になりますが、いまだに夫婦間のワークシェアは試行錯誤の最中です。

 それでも、今の私が楽しく仕事ができているのは、ある習慣を取り入れたことが深く関係していると思います。

 それは、5年前に長女が生まれて仕事復帰してしばらく経った頃の出来事でした。

 当時はクックパッドが上場前で目まぐるしい忙しさ。それに加え、通信系の企業に勤める夫は毎日帰宅が遅く、両親は近くにいない。私は家事も育児も一人で何でも抱え込み、パンク寸前でした。

 そして、ある日、プッツン。ついに夫に爆発したのです! 「私だって同じように働いているのに、なんでこんなに頑張らないといけないの?! どうにかして!!」