滝村「いくつかポイントがあって、もし、キッチンの主導権がママの場合、いつもママが使っている料理道具をパパが勝手に使って場所を変えてしまったりしたら迷惑ですよね? それに作り終わった後に後片付けもしない、それこそ大迷惑。しかも、おいしいものを作ろうとして、やたら高い食材を使っちゃう、これも家計には迷惑です。要はそういうことをしないのが家族にとっては大事だということです」

―思い当たる節がある人が多そうですね・・・

ホームパーティー、後片付けをするのは誰だ?

滝村「実際僕自身がそうだったので、よーく分かります(笑)料理をやるようになったころ、友達を家に呼んでホームパーティーのようなことをよくやっていたのですが、みんながおいしく食べたり飲んだりしているのを見ながら、自分も食べて飲んで。最終的にはいい気分のまま、疲れて寝てしまったのです。翌朝、妻の機嫌が異常なまでに悪い。理由を聞いたら、僕が寝た後に一人で全部後片付けをしたと。・・・寒気がしましたね(笑)」

―要は、自己満足だったということですかね?

滝村「まさに(笑)。そこで気付かされたんですね。パパの料理は自己満足じゃダメだと。ちゃんと家族のことを考える、そして気付くことが大事。僕は妻が怒っていることに翌朝まで気が付きませんでしたけど(苦笑)。先ほども言いましたが、パパ料理は家族がおなかをすかせているときに作るのですが、ちゃんと家族のことを見ていないパパは、いつ家族がおなかをすかせているのかにも気付かない。家族としてこれじゃダメですよね。僕らが子どものころ、お母さんはこっちが『おなかすいた!』なんてわざわざ言わなくてもおなかがすいたころに料理を出してくれていた。これこそ、愛情ですよね。」

―昔から料理はしていたんですか?

滝村「子どもができるまでは全然。それが子どもが生まれてから急激にスイッチが入った感じですね。これは面白いと。ただすぐにパパ料理にはたどり着けなかった。その反省を生かして、今皆さんにパパ料理を勧めているということですね」

―確か、滝村さんっていわゆる飲食店で修業したことはないんですよね?

滝村「そうそう、ないんです。全く。専門学校にも行ってません。ただ、本はいっぱい読みましたけどね。言ってみれば“通信教育”ですね(笑)」

―めだか師匠(吉本新喜劇で活躍中の大ベテラン・池乃めだか氏)の空手みたいなものですかね?(笑)

滝村「関西人にはたまらない例えですね(笑)。ただ、世の中には本当にたくさん『料理研究家』を名乗る人がいますけど、きっと僕以上に料理歴が短い人はいないと思いますよ(笑)。ハイ、特製トマトパスタ、出来上がり!」