東京都品川区旗の台。仕事を終えたビジネスマン達が家路に着くころ、線路脇にある小さなお店に1つの赤いネオンが灯ります。そこは、「旗の台BAL Cero」。このコラムでは、BARに夜な夜な集まり、語るパパ達のリアルな日常と秘める思いを、そのまんまの会話形式でお伝えします。

 

<カランカラン♪ ドアが開く♪ 賑わう店内>

 そこは夜な夜な各地からイクメンが集う知る人ぞ知るバー。今宵(こよい)も、子育てトークに花が咲いているようです。

<ジャッ、シャカシャカ、ジューッ♪ 料理をする音>

 あれ? カウンターの中にはいつものマスターとは違う人がいますね。ああ、あの人はパパ料理研究家・滝村雅晴さん。ちょっと話を聞いてみましょう。

滝村 「僕は以前から毎月第1日曜日と第3水曜日を『パパごはんの日』として、なかなか料理をしないお父さんが家族にごはんを振る舞うきっかけになるよう推進していたんです。ここ2年くらいは、『旗の台BAL Cero』で、第3水曜日に『イクメンCero』というイベントが行われているので、そのときは、カウンターに入って、遊びに来たイクメンの皆さんに『パパ料理』を振る舞っています。」

「男の料理」と「パパ料理」は違うのである

―改めて、滝村さんが広げようとしている「パパ料理」、よく聞かれると思うんですけど「男の料理」とは違うんですよね?

滝村「確かによく聞かれますね(笑)。これが全然違うんです。『男の料理』は“自分が食べたいときに”“自分が食べたいものを”“自分のやりたいように作る”料理。一方で『パパ料理』は“家族がおなかをすかせているときに”“家族が食べたいものを”“家族の迷惑にならないように作る”料理です。

―家族の迷惑にならないように(笑)ってどういうことですか?