床鍋 我々DeNAは、今までにスマホやタブレット向けのゲームを数多く配信しています。iOSとAndroid、両方のOSで使用できるように2つのアプリを作る技術も元々持っていて、多種多様な機種に対応するよう検証、サポートを行うチームもあります。そうした部署と協力することで、専用端末を配布しなくても、一般に普及している端末でサービスを実現できたのです。

――なぞり書きなどはペンでなく、指でなぞる学習でもいいのでしょうか。

床鍋 アプリゼミは、ご家庭にあるものだけですぐ学べるということを優先して作っているので、学習にペンは必要ありません。どのご家庭にもスタイラスペンがあるわけではないので。もちろん、ご家庭にスタイラスペンがあれば使ってかまいません。

 例えばひらがなの練習であれば、まずは手の動かし方と書き順をアプリゼミで学習し、次に学校の授業や宿題で、鉛筆を使って書くことを再度学んでいただければと思います。

学習を進めると「動物図鑑」が完成

――学習をした際、子どもへのご褒美はなにかありますか。

床鍋 学習1コマを終えた子どもは「スター」がもらえます。これを集めていくことで、動物などの画像と解説がカードになった「いきものデータ」を集めることができるようになっています。

星をためると「いきものデータ」がもらえ、動物図鑑が作れる
星をためると「いきものデータ」がもらえ、動物図鑑が作れる

――ご褒美を何にするかは、どのあたりからヒントを得ているのですか。

床鍋 我々が過去に行ってきたゲームなどのノウハウから得ています。もちろんそれが教育サービスに当てはまるのかどうかについてはユーザーテストを繰り返して検証しています。

――飽きさせない工夫というのは大変そうですね。

床鍋 はい。来年以降は各学年にサービスを広げていく予定ですが、小学6年生まで同じ流れ、同じ動物図鑑にはならないでしょう。子どもの学習意欲を高めるモチベーションの仕掛けは今後もいろいろ展開していきます。

――学習状況を親が確認できる仕組みはありますか。

床鍋 はい。保護者用の画面で、学習状況や学習履歴が確認できるようになっています。メールアドレスを登録すれば、メールで学習終了のお知らせを受け取ることもできます。

子どもの学習状況は、保護者用の画面で確認できる
子どもの学習状況は、保護者用の画面で確認できる

――やり過ぎ防止のための対策は何かありますか。

床鍋 学習時間は保護者機能で設定できます。設定した時間が来ても急に終わるわけではありません。やりかけの単元が終わって、次へ進もうとするとメッセージが出ます。学んでいる途中で終わってしまうとやる気がなくなってしまうので、一段落ついたところで終わるようにもなっています。

――保護者設定で設定した時間を過ぎても、子どもが「まだもうちょっとやりたい」と言ったとき、時間を増やす対応はできるのでしょうか?

床鍋 アプリゼミは複数の端末で使えます。スマホでもアプリゼミを使うことができるので、親が離れていてもスマホでログインして設定を変更すれば、学習時間を増やせます。

(3社のサービス比較と、実際の体験談を紹介する第3回記事へ続く)

(ライター/岡本奈知子 カメラマン/近森千展)