―― 日本では、特に会社勤めの方は、実名でネット上でモノを言うことには、抵抗感が強いことが多いです。そうした中、曽山さんは、Twitterなど含め、実名で主張をしているのはなぜでしょうか。例えば、ご自身が小さいころから学校の先生や保護者・親戚の方から「自分の意見を言うのはいいこと」というアドバイスを受けてこられたということはありますか?

曽山 実名を公表して活動することへの不安は特にありませんでした。ママ中心のグループを立ち上げる際、勢いで代表になり、周囲の協力を得て行動してきた中で、実名を出すことのメリットしか考えていなかったのかもしれません。
 あのときは「個人の力はとても小さくて弱い。けれど、それが集団となってマスコミを動かすくらいの影響力が生まれれば、きっと行政の側も放っておかないはず」と周囲にも呼びかけていました。
 私一人では何もできなかったけれど、同じく保活で苦しんだ仲間がいたから頑張れた。同じように「保活で苦しむママ」に対して「一人じゃないよ、私達がいるよ」というメッセージを送るつもりでもありました。

 ただ、「言いたいことを言うには、相応の責任が伴うこと」も強く意識していました。匿名では何を言っても信頼に値しないし、責任を覚悟して行動すべきだ、と思っていました。そして、そのとき、一緒に活動する仲間がいたからこそ、実名を出してでも活動したいと感じたのだと思います。

 保活の結果、自分の子どもをどこにも入園させることができないという事態に直面して驚いて相談してきた人、保活中に妊娠して入園を諦めて引っ越しを決意した人など、いろんな出会いがありました。みんな、今は良い友人になっています。

保育園が足りないのはあなたのせいじゃない。でも、足りない事実を行政に伝え、増設を提案する必要はある

―― 今現在、保育園に入れないかもしれない、実際に入れなかった……と悩んでいる、働くママ&パパにアドバイスをいただけないでしょうか。

曽山 保育園が足りないのは、あなたのせいじゃありません。でも、きっと都市部の保護者の誰もが、保育園を確保するために奔走し、地域によっては「2年待ち」などという保活状況に辟易する場合もあります。

 妊娠が分かった瞬間から、将来の仕事と家庭の両立のことを考えて思い悩むかもしれません。子どもの預け先を確保できず、仕事を諦めてしまうケースもあると思います。

 でも、大事なのは諦めないことなんです。「保育園が足りない」のは本当にその通り。足りないなら具体的に提案して増やしてもらうしかないんです。