ワーママを取り巻く、うれしい兆し。5年前のテレビ業界と今の違い

 テレビの仕事は、大抵、朝9時から始まって33時(つまり、翌日の朝9時)まであります。24時間ぶっ通しで仕事をする。それが1クール。こんな特殊な業界なんです。

 こうした職場で働く女性にとっては、たかだか5年前でさえ、子どもを産んだ後の復帰はとても難しいものでした。就業規則に守られているテレビ局の正社員が、時短もしくは定時で帰ろうとしても、周囲の目は非常に厳しかった。「高給取りが一番先に帰るのか」という「妬み・嫉み・やっかみ」の無言の圧力に負けて辞めていく人が多かったように思います。
 しかし、今ワーキングマザーの数は職場に確実に増え、現場は変わってきています。数は大事です。数の理論は時に威力を発揮します。現場もワーママの存在をないがしろにはできなくなってきたというわけです。そんな中で、邪魔者扱いどころか、かえって大事にされる兆しまで表れてきています。

 では、そのうれしい変化の兆しを5つ挙げていきましょう。

1. 「子育て経験のある女性にお願いしたい」とオーダーされる
 番組作りをする際、女性視聴者の目線が無視できなくなっています。新しい番組の企画会議でも、制作チーム編成時に「40代くらいの女性で、できればお子さんのいるスタッフはいませんか」という子育て中の女性を指名されることが増えているんです。5年前のテレビ業界では全く考えられなかったことです。

2. 産・育休後「早く帰ってきて」と言われる優秀な女性が増えている
 「産休・育休後、必ず戻ってきてね」と、復帰を希望される女性スタッフが増えてきました。これまで真面目に仕事に打ち込んできた人の努力が報われ始めた証しです。私達が今こうして頑張ることが、後輩達の未来をつくっていくことにつながるんだな、って思えて元気が出ます。

3. ワーママのワークスタイルに合う、細切れ時間の仕事も増加
 長引く不景気の影響もありますが、例えば「収録前だけ来てもらえますか」など、細切れの時間単位で仕事を発注される機会が増えています。これは時短で働きたいワーママのワークスタイルに合致しています。ベイビー*プラネットでは「9じ5じママ」と名付けて、ママ達のこれからの新しいワークスタイルを開拓中です。