塾はどのように選び、使いこなせばいいのだろうか。「進学塾という選択」 (日経プレミアシリーズ)、「間違いだらけの中学受験」 (ベスト新書)の著書で教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏に首都圏の大手受験塾の特徴を聞いた。これまで紹介したサピックス日能研と四谷大塚早稲田アカデミーとenaに続き、シリーズ最終回の今回は栄光ゼミナールと市進学院を取り上げる。

【栄光ゼミナール】 『自分のトップ校』に合格させること

 栄光ゼミナールは1980年、埼玉県下に、南浦和校、大宮校、春日部校、草加校、熊谷校、そして東京に田無校の計6教室を構え、スタートした。

 特徴は少人数定員制。一人ひとりの理解度をより高める「双方向型授業」を実現するため中学受験用のコースの1クラスの人数は最大12人としている。

 ターミナル駅前に大規模教室を開くのではなく、小規模教室を多数展開しているのも特徴。これは安心・安全に通ってもらえるようにとの願いから。アットホームな雰囲気が魅力で、中学に進学してからも通塾を続ける生徒も多い。

 小学校1年生からの低学年指導専門コースや無料理科実験教室、公立中高一貫校対策コースも、業界に先駆けて始めた。守備範囲は広く、中学受験専門塾では決してないが、『自分のトップ校へ行こう』を謳い、無理をせず、その子に合った志望校に合格させることで定評がある

 教材はすべてオリジナル。年10回、オリジナルの校内模試「アタックテスト」や外部模試で到達度や志望校への合格可能性を判定する